富裕層のお客さまは見かけ通りとは限りません。お金持ちのお客さまをターゲットにしようと思っている方にとって予想していない事かもしれません。
アドバイザーから見た富裕層クライアントは:
- 仕事が忙しいのでいつも時間がない
- 交流関係も富裕層ばかりなので素晴らしい紹介をくださる
- 家族に資産を残すためにレガシー・プランニングや財産分与に興味がある
といったことをお考えかもしれませんが、富裕層のお客さまにはもっと多くの課題があります。富裕層とのビジネスの秘訣を学び、価値のあるサービスを提供してください。富裕層に関する秘密:
1. 見かけは普通
「私のお客さまは自分たちを金持ちだと思っていません。所得税が最高税率という方でもそうです」というのはニューハンプシャー州で活躍する32年間会員のBrent R. Kimball, CFP, ChFCです。多くのミリオネアは普通の住宅地に建つ一見普通の家で暮らしています。あまり恵まれない環境から自分の力で成功をつかんできた人が多いようです。
「自分の資産を知られないようにしている富裕層も多い」と16年間会員のMatthew Charles Collinsも言います。「私のお客さまの中で一番のお金持ちの自家用車はカムリで、子どもたちも親の総資産額を知らないようです。子どもたちに自分は特権階級だと誤解してほしくないからだと言います」
2.金まわりは別問題
巨額の富を持つ方々の多くはその資金を経営する会社や固定資産として保有しているので資金繰りが良いとは限りません。そして、どんな所得の方とも共通して、自分の資金力以上を消費する傾向があります。「資金繰りが苦しくなると、富裕層の場合はその金額ゆえにストレスや緊張感も非常に大きい」とサウスカロライナ州12年会員のDavid Travis Wyatt IIは言います。
住宅が非常に高額の地域で暮らす方の中には高級住宅街の持ち家に多くの資金を投じている方がいます。「シドニーはとても住宅の価格が高い街です。平均的な住宅でも100万ドル以上ということがよくあります。どんな高級住宅であっても、キャッシュが必要だから一部屋だけ切り売りすることはできないのがツライところです」とオーストラリアのニューサウスウェールズ州を拠点にするCollinsは言います。
「資産総額は非常に大きくてもキャッシュフローに問題がある方の悩みを解決するのが私たちの仕事です」とカナダ、ケベック州で資産総額1000万ドル以上の方をターゲットにしている8年間会員のRenyu Xuは言います。
3.お金に関する知識がない
キャッシュフローに問題が発生する方の多くは自分で富を築いた場合も相続した場合も、ご本人は投資や資産管理、税制や事業に必要なキャッシュフローに関する知識が少ないという問題があります。お客さまは専門分野のスペシャリストでしょうが、おそらくファイナンシャル・アドバイスや保険の専門家ではありません。
例えば、カナダのブリティッシュコロンビア州の7年間会員Chris George, CFP, TEP のお客さまの中には有効な節税対策をしていなかったために毎年$90,000も余分に税金を払っていた方がいらっしゃいます。
富裕層だからと金融の教育をしなくても良いと考えるのは間違いです。むしろ普通以上に時間をかけて教える必要がある、とXuも言います。
どんなお客さまに対してもですが、特に富裕層の場合は業界用語を避けるべきです。分からない単語が出てくると混乱します。Collinsは「まずはそのお客さまとの共通項を見つけてその話をして、仕事の話も簡単な単語だけを使う」ように心がけています。少し時間をかけて相手を理解し、何を大事だと感じているかという価値観を把握することが大事だと言います。
富裕層についてこれらの事を理解していると、アプローチしやすくなるのではないでしょうか。
この記事のオリジナルはこちらMDRT Blogに掲載されました。