中国の東南端という好位置にあり、中国の文化を維持しながら中国語と英語の両方が公用語の香港は、以前から中国本土への玄関として、特に金融サービス分野で注目されてきました。
13年間MDRT会員のJoyce Wu Shuk Pingは「東西の接点という地の利を生かした香港では、最高のファイナンシャル・プランニング・サービスと商品が入手できます」と述べました。
また23年間MDRT会員のHenry Sei Yan Wongも人口14億人を超える中国本土とのつながりが、香港のアドバイザーに非常に有利に働いているという意見に賛成します。
「これらは金融サービスや生命保険業界において、香港の競争力と優位性を飛躍的に高めた要因です」と語っています。 しかしコロナ禍とその影響を受けた景気の低迷により、特別行政区の香港は中国本土から孤立する事態になり、著しく影響を受けました。
Wongの場合、中国本土の顧客がビジネスの大きな割合を占めていましたが、この2年間中国本土との取引はなくなりました。加えて香港の見込客数も減りました。2020年6月から2021年6月にかけて人口が8万9000人以上減り、18年ぶりに減少に転じました。地域外への移民の増加が主な原因だと考えられています。
しかしWongは希望をなくさず、もっと前向きで積極的なアプローチをとることにしました。香港の保険は全世界をカバーしており、たとえ顧客が海外に移住しても有効だと指摘しています。
香港の保険業界は高度な規制を受け、厳しい要求に対応しながらも着実に成長するでしょう
—Henry Sei Yan Wong
「出身地や移転先に関わらず保険は100%有効です。私たちはくじけずに前進し、香港の市場を開拓するのみです」
このように香港のアドバイザーは複数の大きな変化に直面しています。その第一は規制の強化です。政府は2015年に保険局を設立し、規制インフラを近代化し、保険契約者の保護を強化し、保険監督者国際機構の要請に対応しました。その内容は従来の保険業界への規制とは「完全にレベルが異なる」もので、保険業界参入を希望する人々にとって「ハードルが高くなった」とWongは説明しました。
「厳しさを増す香港の保険業界は、高度な規制を受け着実に成長する」とWongは予測しています。
Wuによれば、商品販売の際のファイナンシャル・ニード分析のプロセスに対する規制が厳格化されたことは近年の最大の変化だと言います。
「この規制の強化で、私はお客さまのことをより正確に知ることができるようになりサービスを継続するのに役立っています」と述べました。
また新商品の開発や、顧客からの紹介という点からも香港は優秀です。Wuによると、例えばがん、脳卒中、心臓発作などに特化した重大疾病保険の場合「香港では市場や人々のニーズに合わせ、より柔軟な対応ができます。そのおかげでお客さまと出会う機会も多くなり、十分な保障を提供できます」
無論パンデミックをめぐる政府の規制により、アドバイザーが望むような対面の面談は少なくなりました。しかしWuは、テクノロジーの活用はピークに達しているが、この傾向は今後も続くと考えています。
「以前よりもお客さまと会う回数が減ったので、より慎重に関係を構築しています」と述べました。
Wongもお客さまとのコミュニケーションの方法を変えなければなりませんでした。「率直に言うと、われわれはお客さまへのアプローチや、保険の話のへの持って行き方を変えねばなりません」
Wongはテキスト・メッセージを読んだクライアントから、返信が来ないのが不満でした。そこでクライアントとより効果的にコミュニケーションをとり、返信を促すテクニックを開発しました。また、この手法を香港の他のアドバイザーにも教え、現在までに350人のアドバイザーがこの手法を実践しています。この独自のアプローチによって、2022年のMDRT会員資格は前半の5ヶ月間で獲得できると考えています。
このように適応力があり、創造的な思考をするアドバイザーがいる香港は、今年度1万5719名のMDRT会員を擁し、世界のMDRT会員数で上位にいます。Wuは未曽有の困難に直面しても、MDRTの中心にある思想は揺るがないと言います。
「どれだけ稼いだかではなく、どれだけ与えたかが重要です。『MDRTの体現』がこの職業の基本理念です」
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Henry Sei Yan Wong henry-sy.wong@aia.com.hk
Joyce Wu Shuk Ping joyce.wu@aia.com.hk