相続に備える商品の答え合わせ
個人顧客に対し相続に備える商品を提供する、という得意分野でアドバイザーを続けている務台会員は、現在51歳です。65歳で定年を迎えるとき「娘にこの仕事を引き継ぎたい」という思いをもって仕事に取り組んでいます。「相続商品というのは実際のところ、お客様が他界されたときにはじめて答え合わせができるのです。この商品は本当にお客様家族にとって最適だった、とか。場合によっては無駄な部分が多かったとか。もしお客様にとって良くない商品を売っていたとしたら、私の仕事を引き継ぐかもしれない娘が後ろめたい思いをすることになります。」
親から子、子から孫へバトンをスムーズに渡す
核家族や単独世帯の増加で親子三代が同居するといった家族が少なくなった現在、受け継がれる財産に対する意識も希薄になってきている、と務台会員は語っています。相続に備える商品を紹介するアドバイザーの仕事は、「親から子、子から孫へしっかりバトンが受け渡せるようにアドバイスをすること」だといいます。「もちろんこのバトンの受け渡しでは保険商品が最適ではないケースもあります。そんなときは保険商品を売る必要はないと思っています。パートナーの税理士を紹介して、保険とは別の相続対策をお勧めする場合もあります。大切なことは、適していない商品を勧めてはいけないということ、税法上で絶対に間違えてはいけないということです。」
得意分野を生み出すための100本ノック
証券業界から転身した務台会員。転身当時は「びっくりするほど売れなかった」といいます。4年以上の売れない時期を過ごして、退社の相談をマネージャーにしたところ、初心に帰ってロールプレイを徹底的にやることを勧められたそうです。マネージャーの意向もあり、相続に備える商品のロールプレイを来る日も来る日も100本ノックのように2ヶ月間繰り返しました。「自分は逆転満塁ホームランが打てるようなプレーヤーじゃない。だからアベレージヒッターを目指した」と語っています。
他界したお客様へのご挨拶
100本ノックのようなロールプレイを徹底的にやった後、務台会員はそれまでの不振が嘘のように営業成績が向上したといいます。生まれ変わった務台会員は、早速「相当な資産家」との大型契約を成立させ、その後もそれまでの不調が嘘のように営業成績が向上しました。務台会員は、その資産家の命日前後には必ずお線香を上げに行っていると話しています。「お線香を上げているときに、自分の仕事の本当の意味を噛みしめています。そのご家族の円満な姿を見て、私たちが勧めている商品の答え合わせの大切さを痛感するのです」と語っています。「20年後、30年後の答え合わせは、たとえ自分にはできなくても他人ではなく娘に受け継いでほしい。そう思うからこそ娘が困るような商品は絶対売ってはいけない。入口を決める私の責任はとてつもなく大きいのです。」この覚悟こそが務台会員のアドバイザーとしての強さに違いありません。
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