「孤児契約」という言葉は、孤立無援のクライアントと新たなアドバイザーの間に大きな隔たりがあり、出会えていないことを示唆しています。しかしPeter Kriz Dela Pena Padilla(フィリピン、7年間会員)はその距離を縮め、担当アドバイザーがいないクライアントにアプローチする方法をいくつか習得しました。そのひとつはSNSでリサーチするというシンプルですが見過ごされがちなアイディアです。
Padillaはあるクライアントについて「同じジムに通っていて、共通の友人もいたことが判明し、それが功を奏しました。彼の信頼を獲得し、私のクライアントになってくれました。SNSで孤児契約のクライアントをリサーチすることは、大きな成果をもたらす場合があります」と語りました。
またSNSを利用して、クライアントが最も重視することを知るための手掛かりを探し、アプローチの仕方を微調整することもあります(紹介されたクライアントの場合に有効です)。リサーチとは単にSNSのアカウントから情報を探すことではありません。既存の保険契約を調べ、今後どのようにクライアントをサポートすべきかを理解することでもあります。Padillaの観察によると、孤児契約のクライアントの多くは自分の保険についてよく理解していないので、直ちに情報に基づいた適切な提案を行うことが特に重要です。
「保険に加入していることは知っていても、どのような保障内容かは知らないのです。『私の友人には重大疾病保障があるのになぜ自分の契約にはその保障がついていないのか』と尋ねられることがありますが、すでに契約は成立しているので私にはその経緯が分かりません。残念ながらこのようなケースは、親しい知人であるアドバイザーからアプローチされて保険に入ったときに起こりがちです。成績を達成するためにビジネスを必要としているのでお勧めしたのでしょう」とPadillaは指摘します。
「このような場合は、まずクライアントに保険の内容を説明し、特約の提案をします。変額ユニバーサル生命保険の投資に関する最新情報があれば、それも提供します。保険内容の変更は前任のアドバイザーとあまりコミュニケーションがなかったクライアントにとって、非常に重要です」
期待値のすり合わせ
アドバイザーと孤児契約のクライアントがパートナーになることに合意したら、誤解を避けるために双方の期待値をすり合わせることが重要です。Padillaは、契約内容の見直しの頻度は年に1回か、あるいは2回を希望するかを確認するようにしています。また、自社の新商品について知りたいかを尋ね、投資の最新情報を更新する頻度も、クライアントの希望に合わせるようにしています。
新しいアドバイザーになった直後は、クライアントの質問にすぐに答えられないかもしれない、とPadillaは言います。しかし、クライアントが期待するサービスの水準をすぐに示すことができる絶好の機会と捉えることもできます。それによりお客さまに安心感を与えます。こんな経験をしたこともあります。ある孤児契約のクライアントを紹介されたのですが、自分がまだ正式な担当者になっていないにもかかわらず、既存の保険契約を見直すように要求されました。
「プロフェッショナルとして、また会社に対する使命感からこの難題を引き受け、クライアントの要求をすべて満たしました。やったかいがありました。このクライアントから追加で5件の保険契約をお預かりすることになり、彼は今でも私の顧客です」とPadillaは振り返ります。
相性と信頼
もちろんアドバイザーがこのような孤児契約を引き受けるかどうかは選択次第だとPadillaは指摘します。クライアントと新しい関係を築くには、相性と信頼が不可欠です。一度築いた関係を維持することにより、クライアントが皆さんに抱いた第一印象は定着します。
Padillaにとってそれは短期的および長期的な視野でサポートすることを意味します。SNSでクライアントのアカウントをチェックすると、COVID-19の陽性反応が出たのに、保険でサポートされることを知らなかった人がいることが分かりました。Padillaはこの投稿を見て直ちにそのクライアントに連絡をとり、支援を申し出ました。
必要なアプローチやアドバイスは違っても、同じように重要なケースがありました。ある起業家のビジネスがうまくいかず、保険よりも優先しなければならない事項が発生したので解約したいという申し出がありました。
「私は解約を思いとどまるようアドバイスし、契約者貸し付けを利用する提案をしました。その提案は成功でした。現在、その方のビジネスは成功し、保険にも追加加入しています」とPadillaは回想します。