台湾で投資ツールの一つとして生命保険を 利用した資産配分を提案すると、富裕層 の顧客や見込客の多くは冷笑しながらアド バイザーに質問を浴びせます。内部収益率はどうなの か?株や投資信託、不動産や貴金属などもっともうか る投資先があるのにリターンの低い商品を買う意味が あるのか?
「そのような方は保険の役割を理解しておら ず、他の投資のパフォーマンスが良い時に自分を守る ため分散投資をすることに興味がありません」と台北 の3年間MDRT会員Fan Pei Hsiaoは言います。
パンデミックの前はこのような反応が一般的でした。 しかし新型コロナが広まるにつれてクライ アントは次第に命がはかないものである ことに気付き、投資に対する考え方が以 前より保守的になりました。今では財産を 受益者に移す方法といった資産税対策 に関する質問をよく受けます。このような 意識の変化は、保険サービスのマーケティ ングにとって非常に良い時代が来ること を示しているとHsiaoは考えます。お客 さまは保険を消極的に受け入れる代わり に、ヘッジあるいは受益者を守る機会とし て積極的に求めるようになったからです。
最も重要なことはお客さまの ニーズを見抜いて 適切な解決策を提供することです。
しかしクライアントは他の投資と比較す ると、特にリスクヘッジとしての保険の役 割やパフォーマンスに疑念を抱いていま した。そこで彼女は保険が他の投資商品 と比較してどの点で優れているのかを、 家庭用品に例えて説明しています。例え ばティッシュペーパーとキッチンペーパー を比べると、どちらも素材は似ていますが 用途が異なります。ティッシュは薄くてこぼ れたサラダ油をふき取ろうとすると破れて しまいますが、それはコモディティ投資が リスクに弱いことと似ています。一方キッ チンペーパーは厚いのでサラダ油をふき 取っても破れず、それは保険がリスクに直 面したお客さまやご家族をお守りするの と同じです。
またHsiaoはクライアントのバックグラ ウンドや年齢に合った例やエピソード(あ るケースでは4人の幼い子どもがいる高 齢の顧客)を使ってリスク・プランニング を無視するとどのような結果になるのか、資産を守って家族に引き継ぐことがいかに有益かを解 説します。お客さまが将来直面するかもしれないリスク を具体的に示すことで、ポートフォリオに保険を組み込 むことの重要性を強調することができます。
好機をとらえ人より抜きんでるため、アドバイザーは クライアントの全資産を把握し健全なアロケーション・ プランを立てる必要があります。しかし彼女がターゲッ トにする高所得のお客さまは身内でもないアドバイ ザーに自分の全財産を明かすことに抵抗がありなか なか教えてくれません。そこでHsiaoは税法や税務申 告サービスなどの専門知識を身につけ、お客さまの問 題解決策を提案して信頼を得るようア ドバイスします。彼女自身は税務署員 養成講座を修了してAFP資格を取得 し、そのことをお客さまにも伝えていま す。クライアントのために会計士が作 成した所得申告書を無料で見直した こともあります。それは結果として税金 の節約につながり、お客さまとの関係 はより強固になりました。
Hsiaoは「全体的な状況を包括的 にとらえお客さまの信頼を得てくださ い。最も重要なポイントは自分を磨き 続けること、自分の価値を作り出すこ とです。問題に率先して取り組む姿勢 を見せることにより、お客さまの警戒 心を解いて経済状況をより深く理解す ることができるようになります。
パンデミックの前でも後でも、お客 さまの経済状況やプライベートが安定 していてもそうでなくても、保険と金融 のアドバイザーとして最も重要なこと はお客さまのニーズを見抜いてひ とり一人に合った適切な解決策を 提供することです」と語りました。