2000年にTuty Effendyが30代前半で乳がんと診断されたとき、多くの家族や友人が支えてくれました。しかし、周りには同じ経験をした人が誰もおらず不安に思っていました。彼女は2022年にMDRT会員になりインドネシアのジャカルタで活躍しています。
そんな経験のあるEffendyはLovepinkの創設者のひとりと出会ったのをきっかけに、2014年から乳がんの早期発見と患者支援を推進しているこの団体を応援しています。そしてMDRT Foundationから1万ドルのグローバル・グラントを授与されました。「神様が私を治してくださるなら、同じ病気にかかった人に自分の体験を話し、恩返しをすると誓いました。Lovepinkを通じて、その誓いを果たせると思いました」と2001年5月に治療を終えたEffendyは語りました。
そんな彼女ですが、2000年10月にシンガポールで乳がん手術のために入院したときに乳がん啓発月間のパンフレットを受け取るまでは早期発見という言葉さえ聞いたことがありませんでした。Effendyはこの10年間、乳がんと診断されたインドネシアの女性たちが手術を受けたくないと薬物療法や化学療法を嫌がり、がんが進行してしまうのを目の当たりにしてきました。
がんになった当時の自分が受けたかった支援をLovepinkとしてより多くの方に提供しているとEffendyは言います。化学療法や手術を嫌がったある女性のことを思い出して「最初は誰でも恐ろしく感じます。でもLovepinkに参加して私の実体験を聞いた方には希望が見えてくるようです」と語りました。
小さな始まり
10年前、まだLovepinkがチャリティー団体として登録される前にEffendyはブラックベリー・メッセンジャーのチャットで50人の診断を受けたばかりの人たちのロールモデルとしてチャットをリードしていました。現在はLovepinkに複数ある200~300人規模のWhatsAppグループに参加しています。そのうちのひとつが、現在乳がん治療中の人たちの「Warrior(戦士)」というグループです。もうひとつは治療を終えた人たちのグループで「Survivor(サバイバー)」と呼ばれています。Effendyは2014年から2019年まで同団体の役員を務め、運営プロセスの管理、寄付者や医療団体など第三者との調整を行い、2019年には講師として先述の双方のグループの質問に答え、治療や副作用などの体験談を伝えました。
友人や家族、あるいは治療中に出会った人からの口コミでLovepinkの活動を知って参加する人が多くいます。Effendyはジャカルタ最大のがん病院の近くに住んでいるため、入院した人を見舞うこともよくあります。身寄りが無い一人暮らしの女性の検診に付き添ったこともあります。心の支えになることはLovepinkの主な使命のひとつであり、セルフチェックと超音波検診の早期発見教育を通じて2030年までに進行乳がんを減らす目標も掲げています。
支援の輪を広げ続ける
Lovepinkの使命として一人一人の女性に手を差し伸べるだけではなく、多くの女性たちがつながる支援を行っています。そのためにMDRT Foundationのグラントは経済的に余裕の無い女性に無料で超音波検診を提供するLovepinkプログラムに充てられます。このプログラムの目標はインドネシアの都市部にある多くの病院と協力して1万人の女性の検診を実施することです。2022年には約2500人がこのサービスを受けました。この活動はピンクのバスに乗ったボランティア放射線科医がさまざまな地域で移動式機器を使って検診を提供してきたプログラムの延長として行っています。
EffendyがLovepinkでボランティア希望メンバー(同団体の役員やボランティアの大半は乳がん経験者)の研修を手伝う際、メンバーたちは早期発見の重要性について講演をする訓練と、各地域で1日に15~50人に超音波検診を実施する医師と連携する訓練を受けます。
さらにEffendyをはじめとするLovepinkのPink Squad(ピンク分隊)のメンバーは、インドネシアのBogorで5日間連続で毎日100人の女性に検診を行った最近の取り組みも含めて、年間を通じてメッセージとサービスを周知する努力を続けています。Lovepinkは毎年10月の乳がん啓発月間に命を救う早期発見の広報活動や「ジャカルタはピンク色に染まる」と銘打った募金マラソンやウオーキングを開催しています。
「私は乳がんがこの世の終わりではないという生きた証しです。強い心と適切な治療で乳がんは治ります」とEffendyは語りました。
CONTACT
Tuty Effendy tuty.effendy@gmail.com