Arnold Eichhof, CFP, AIFは製造業の中堅幹部をしていましたが、キャリア半ばで無職となり、次に何をすべきかと自分に向き合い考えました。
父親が脳卒中に倒れた後、経営難に陥っていた家業の金型製造業を継ぎました。その後の4年間で負債を大幅に削減し、収益を伸ばし多くの従業員を雇用しました。父親が亡くなった後は、他の不動産受益権を買収して経営者となり、家族のレガシーを継承しました。これは彼が夏休みに父親の工場で働いていた10代の頃からの夢でした。
しかし残念なことに顧客層が変わってしまいました。自動車メーカーをはじめ純正部品メーカーはサプライヤーに大幅な値下げを要求してきました。また安価な外国製品との競争もあり、収支を合わせるだけでも一苦労するようになりました。彼は2014年に3年間の残留条項付きの資産売却により会社を売却しました。新しいオーナーも11ヶ月後に工場を閉める結果となりました。
Eichhofはこれから何をすればいいのか、どうしたいのか自分に問いかけました。
フロリダは好景気だったので不動産を売ることもできましたし、他のメーカーで働く選択肢もありました。しかし彼は1997年に取得したファイナンスの学位を生かし、フルタイムで働き家族を養うことにしました。
米国フロリダ州St. Petersburgの2年間MDRT会員であるEichhofは「個人や家族、企業など、どんな対象であろうと財政状態を良くすることに常に関心がありました。これを形にするには何をしたらいいのか考えました」と語ります。
ギアチェンジ
Eichhofは価値を提供し、常に進化を続ける製造業のメンタリティをファイナンシャル・アドバイスに適用しました。従業員は時給で働きながら生活しなければならないのに退職金勘定を管理するアドバイザーは労働者の苦悩に寄り添っていないことが以前から気になっていました。アドバイザーは職場の年金を積み立てるのは従業員本人のためだと言うだけで、財務戦略での支援という踏み込んだ説明をしていませんでした。
「努力さえすれば人の役に立つ優れたアドバイザーになれます。免許があればいいというものではありません。私は過去の自分よりレベルアップするには何をすべきかを常に考えています。継続的改善計画、別名CIPまたはKaizenです」と述べ、ビジネスおよび個人のプロセスの改善に関わる2つの原則について言及します。「製造業では、部品や製品、サービスを改良する必要があります。そうしなければ売れません。製品やサービスを改善するということは、プロセスを改善するということです。日々ことあるごとにプロセスと顧客関係について自己評価をすべきです」
彼はこの仕事を始めて6年間でChFCを含む3つの資格を取得しました。地元のビジネス・ネットワーク・インターナショナルの支部に参加し(教育コーディネーター、会長2回、副会長、メンターを務めた)、地元の商工会議所やビジネス・アライアンス組織と関わり、このネットワークからも見込客探しをしました。
起業して間もない頃は面談でお客さまのペースを考えずに、性急に話を進めてしまった失敗もありました。
「お客さまのペースに合わせて質問することで、コミュニケーションが取れて財務状況をより的確に把握できることを学びました。『クライアントは、相手から大切にされていると感じるまでは話を聞こうとしない』という格言がありますが、本当にその通りです。面談が終わるときには、確実にお客さまがお金を節約できたり、利益を出せたりするように、会話の始めから価値を提供するように努めています。そしてお客さまを圧倒しないよう、ソフトな対応を心がけています。アドバイザーに期待することをお聞きし、お客さまの期待に応えられるよう行動しています」と述べます。
最近あるご夫婦と証券投資についてお話をしました。息子さんが来年大学に進学するので、今後4年間の費用がどれくらいかかるか把握しようとしていました。Eichhofは息子さんの大学在学中に収入を得られる不動産戦略を提示しました。そして、不動産を購入し賃貸収入を得ることと税制上のメリットを実現した友人達を紹介することにしました。
「ファイナンシャル・アドバイスは株式、債券、投資信託、ETF(上場投資信託)だけにとどまりません」と彼は言います。
経営者としての経験を生かす
アドバイザーとして価値を提供することには経営者や起業家に対して事業継続、事業承継、撤退、レガシー計画、売買契約、事業評価、従業員の福利厚生などのリソースとなることも含まれます。Eichhofは製造業の幹部を経験しているので彼らの苦悩に共感できます。
「会社を売却するときビジネス・ブローカー、弁護士、公認会計士と関わりました。しかし今の私ほど相手の立場に立ち親身に寄り添ってくれる人はいませんでした。何十年にもわたる努力、献身、犠牲を収益化しようとするのは経営者にとってとても恐ろしいことです。人はこの問題を公認会計士に相談したがりますが、それは優秀で資格のあるアドバイザーを信頼していないからではなく、401(k)などの年金を扱うというイメージが強いからでしょう」
会社経営者はとても多忙なので紹介なしのアドバイザーに時間を割くのは後回しになります。そこでEichhofは上記の協会の会合に出席したり、夕食会に出席したりして、経営者が優先的に話を聞いてくれるような場でコンタクトを取っています。このターゲット市場にチャンスを見いだしたので、他の3人のアドバイザーと6人のサポート・スタッフからなるチームの助けを借りながら、情報を発信し、業務を拡大していく予定です。
「この仕事が大好きで、チャンスにも恵まれています。努力さえすればとても優れたアドバイザーになれますし、お客さまもその恩恵を受けられます。私は自分の決断、チーム、そして毎年の成長のペースにとても満足しています。MDRTに参加することは進化を続けるために重要な要素であり、非常に厳しい状況から驚くほど人生が向上します」と述べました。
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Arnold Eichhof arnold@cfg-usa.com