東北地方の課題に寄り添う
東北地方を中心に活躍の舞台としてきた藤原大輔会員。都心部と違い、地方ではデジタルの活用や紹介方法など、異なる方法でアプローチをする必要があると語る。
関東首都圏内であれば当たり前のZoomも、地方や田舎では慣れない人が多く、最初のアプローチでは保険の話から入るのではなく、Zoomの使い方などを教えてあげることから親密さ、信頼が生まれ、その次に保険の話をする環境が作れるという。
また、人情の強い東北では、しっかりお客様の元に足を運ぶことで信頼関係や紹介が生まれやすく、欠かせないと語る。「そのお客さんだけに会いに行くのではなくて、そのお客さんの回りに必然と集まってるケースがやっぱりあるので、そこでお話をするとやはりいろいろ案件がもらえたり、紹介がもらえたりってこともあります。」
さらに相続対策についても東北地方は、両親と同じ家、あるいは同じ敷地で暮らしているといったケースが多いとしている。そんな場合、両親の保険の状況や、土地の名義の状況、万が一が起こったときの対応などのキーワードをお客様に投げかけると、興味を持ってもらえるという。
地域と共に生きる覚悟
東京で育った小野隆行会員は、現在仙台を拠点として活動している。保険の仕事を始めた頃は、初めてのアポイントでまず聞かれることは「どこの人?」という質問だった。「東北出身ではない、よその人なんだろう」「いつかは東京に帰ってしまうのだろう」-土地を愛するが故の警戒感を含んだ質問だったと語る。「関東出身の自分には最初のハードルは高かった」と振り返る小野会員は、「仙台に居続けるためにこの仕事を選んだ」と言い続けた。15年以上経った今、一歩踏み込むことが出来れば、東北ほど温かい環境はないと感じているという。
そんな小野会員が仙台で活動する際の必須アイテムの一つが「ベルン」のミルフィユ(3個入り)だ。小野会員はこのお菓子を毎週月曜日に5個購入し、新規の面談時に渡していく。東北では仙台三越でしか売っていないというプレミア感もあり、「おいしいお菓子ももらえるから話を聞いてみなよ」と、紹介のきっかけになることもあるという。1カ月約6,000円で出来る月20件の新規面談にこだわれるビジネスアイデアだ。
また、2011年に東日本大震災が発生した際は、身近な人が数多く被災したが、幸いにも被害が少なかった小野会員は、自宅の風呂を、被災した知人・友人に提供したという。仕事から帰宅すると、風呂上りの知人がリビングで家族と談笑しているのが不思議な光景だったが、自分にできることがあるのが嬉しかった、と語る。
「契約をお預かりした以上、大切なことは、相手が困っているときにきちんとフォローすることだ」と小野会員。現在では、契約者から紹介を受けた人が「保険に入る」と電話をしてくれるだけでなく、保険料やプランも「小野さんに任せる」と言ってくれるそうだ。そしていつの間にか「どこの人?」と尋ねられることがなくなった今、東北は「人」で商売が成り立つことを実感したと語る。
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