「聞く」の先には「共感を持って聴く」があります。私は自分の話をするのではなく、見込客の話に耳を傾けて信頼関係を築くよう努めています。
昨年、ある男性がふらりとオフィスに立ち寄り「母親の生命保険の死亡保険金を請求したい」と言いました。私は自分の仕事内容や扱う顧客のタイプがどのような方たちなのかを少し紹介し、この男性は現役で働いているのかあるいは引退しているのかを尋ねました。そして黙って彼の話に耳を傾けました。しかし、今は自分が発言する順番を待つタイミングではありません。知っておかなければならないことがたくさんあります。顧客は何を探し求め、何を必要とし、何を欲しているのか。そしてどうすればそれを満たすことができるのか。以上をこの見込客に聞きました。目標やリタイアメント・プラン、ライフスタイル、財力に関する情報収集が大切です。一番大きな心配事は何か。ぜひ皆さんから問い掛け、促し、お客さまに話をさせてください。
男性は退職したばかりの62歳で「マーケットで起きていることが死ぬほど恐ろしい」と心情を吐露しました。
理由を尋ねたところ、「20万ドルも損をしました」との答えが返ってきました。
翌週に会う約束をし、IRA(米国の個人年金勘定)の明細書を持ってくるようにお願いしました。前の職場の401(K)からロールオーバーしたばかりで退職金口座には149万ドル入っていました。私は2019年に取得したRICPの資格を活用し、単に死亡保険金の請求処理に終わるはずだった案件を退職後の収入プランの作成に引き上げることに成功しました。男性には預金をキャッシュ・ポジションに移して資金の損失を止め、少し時間をもらって彼のために優れた退職後の所得プランを設計するつもりだと説明しました。
そして資金を移動させてから尋ねました。「ところで、あなたの目標を教えてください。社会保険(公的年金)制度に加入していますか。生命保険に加入していますか」と問い掛けました。男性の資産状況を確認するために全てのステップを踏みました。彼は、喫煙者であること、仕事を通じて生命保険に加入していることを告げ、かなりの資産が見込める持ち家があるので、自分の保険は特に必要ないと考えていると付け加えました。そこで私は、「固定費として必要な金額を算出し、どの程度の収入が見込めるか確認しましょう」と提案しました。次回の面談では社会保険の明細書を持参してもらい、損益分岐点の計算をして、保証された収入を得るための最適な戦略を検討することにしました。面談当日は社会保険制度の分析結果について話しました。男性の家族に既往歴があり、自分の喫煙習慣も相まって長寿の可能性は低いだろうという意見を持っていたので、スタートは早めが良さそうだという点で合意し、63歳となる2022年8月のスタートがベストだという結論に至りました。
次にインデックス型変額年金商品とインデックス型変額年金インカム商品で収入戦略を組みました。インカム年金は3年間の貯蓄フェーズが必要なので、最初の6年間は通常のインデックス商品から収入を得、その後はインデックス型変額年金から引き出すように設定しました。インカム商品は3年間の積立が必要で、開始の遅延によってより高い引き出し率を得ることができます。
また、下げ相場に備えて、現金のマネーマーケット口座に5万ドルを確保しておきました。男性の妻はまだ働いているので、彼の社会保険と最初のインデックス商品からの引き出し、そして妻の収入が彼の退職初期の収入源になります。その後に年金と社会保険も開始されます。また、私たちが管理するマネー・プラットフォームで2つの成長株に投資し、必要に応じてこの資金にアクセスできるようにしました。
一連の設定を終えた後、男性は「将来、適切な収入が見込めるという確信が持てて不安が解消された」と、とても喜んでくださいました。
Pamela Bassoはマサチューセッツ州Rockportの3年間MDRT会員です。コンタクト先:pam.basso@prudential.com。