Mariant Carolina Navarro Protzelがベネズエラからメキシコに移住したのはファイナンシャル・サービスのキャリアをスタートさせる1ヶ月前のことでした。彼女には1年目のアドバイザーが見込客探しの際にまず頼りにする友人や家族といったネットワークがありませんでした。
セールス・サイクルは電話をかける相手がいて初めて生まれます。ではメキシコシティの5年間MDRT会員のNavarro Protzelはどうしたでしょうか。保険会社のコーチから街頭アンケートと日々の生産性をトラッキングするプロセスという2つのツールを紹介してもらい、見込客を開拓するための活動に集中して実務経験を積むことにしました。
一つ目のツールは紙のアンケートでした。メキシコでの最初の半年間、彼女は首都の大きなオフィスビルの外に立ち、道行く人に声をかけてファイナンシャル・サービス、貯蓄、リスク管理に関する全8問、所要時間2分のアンケートに回答してもらいました。アンケートの回答をいただいた後、無料相談を受けたいかを尋ねました。受けたいと言われた場合は連絡先を聞いて後日アポイントメントを設定しました。
コンフォート・ゾーン
その活動と同時進行で社内で成功している募集人のもとでトレーニングを受け、ファクト・ファインディングのプロセス、クライアントへの有益なアドバイス提供、良い面談を行う方法などを学びました。しかし彼女には紹介を求めることへの気恥ずかしさを克服する必要がありました。Navarro Protzelにとってその行為は助けを求める叫び、あるいは物乞いのようにも思えたからです。しかしその後、優れたアドバイスを提供し、見込客に自分の将来について考えさせ、個人資産を管理する基本的なツールを教えることがお客さまに価値を与えていることに気付き、抵抗感なく紹介をお願いできるようになりました。
その次のステップでは新規クライアントとの初回面談の終盤に、これまでのアドバイスを採点してもらうようにしました。「本日の会話はいかがでしたか。収穫はありましたか。何が一番役に立ちましたか」と質問し、次にイエスセット話法を利用してクライアントにイエスで答えられる簡単な質問を3つ投げかけました。声に出したり内心で「はい」と肯定してうなずくことで反応が習慣化し、理論的にはクライアントが提案を受け入れやすくなるというものです。
その後は本当に答えてほしい質問をします。「私と会うべきだと思う10人のお名前を教えてください。その方たちにはふたつの特徴があることが条件です。経済状況が安定していること、そしてあなたと同等かそれ以上の収入を得ていることです。つまり、その友人ほどの収入があれば自分は今より多くの目標を達成していただろうと思わせる人たちです」。そしてクライアントに携帯電話の連絡先リストを開いてもらい、そのプロフィールに合致する人を探して名前を読み上げてもらいます。
「私はこのキャリアを続ける限り二度と街頭アンケートを行う必要がないくらい膨大な紹介リストを作ろうと自分に誓いました」とNavarro Protzelは言います。
見込客リストを増やすために他の方法を模索し、コーチに教わった2つ目のツール「25ポイント・システム」を取り入れました。これはアドバイザーの年間および四半期目標をビジネスの成長とクライアント支援のための日々の習慣に落とし込むプランニング・システムです。デイリー・アクティビティー・トラッカーを使い、見込客への営業電話、アポイントメントの依頼・獲得、見込客とのコンタクト、アポイントメントのスケジュール管理、ファクト・ファインディングの面談などの活動によりポイントを獲得し、集計して毎日25ポイント以上を目標にします。そのため、成約件数がゼロの日があったとしても、少なくとも将来クライアントとなる見込客のパイプラインを築くために必要な仕事をしたことがシステム上で確認できます。
Navarro Protzelの目標は、毎日最低でも5人の新規連絡先を獲得することでした。統計によると営業電話で得た見込客の70%が最初のアポイントメントをキャンセルしており、ウォーム・マーケット(アドバイザーと交流のある見込客)のキャンセル率30%に比べてかなり高い割合です。この数字を知った彼女はベテラン社員と同じ結果を得るには、アポイントメントを多めに得る必要があると考えました。
「見込客が面談に来るか来ないか、電話に出るか出ないかは私たちがコントロールできることではありません。そこで、一週間に平均20件の初回アポイントメントを取り、6人くらいの新規見込客に会うようにしました。この活動の継続が月100件以上の紹介を得ることにつながりました。エクセルに自分の活動を記録すると進捗状況が自動的に計算されるため、自分の業績や傾向を評価し、効率指標に基づいて達成したい成果の予測を立てることができるようになりました」と彼女は述べます。
揺るぎない自信
電話する先がないというアドバイザーもあきらめてはいけないとNavarro Protzelは言います。
「連絡先を得る方法はいくらでもあります。自分にとって最適なマーケットで仕事をしているなら、少なくとも10人の友人とそれぞれアポイントメントを取り、あなたは最近はじめた新しいプロジェクトをとても楽しみにしていると伝えてください。このキャリアの素晴らしさ、自分にとっての意味も語ってください」
もし紹介をお願いすることが難しい場合は、ためらっている理由を自分の中で見つけてください。
「現在の形が理想的だと思うはずです。信じられないほど仕事がうまくいっています。私はアドバイスをすることにたけていて、クライアントはいろいろな方に私を紹介してくださいます。どなたに私を勧めてくださいますか?」
Carina MadridとAdrian CharansonnetはMDRTのラテン・アメリカ向けコンテンツ開発を支援するチーム・ローマのライターです。連絡先はcarina@romacompany.mx or adrian@romacompany.mx。
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Mariant Navarro Protzel mariant.navarro@gmail.com