Darren Patrick Ryan, CFP, CLUが2022年のMDRTベンチマーク調査の結果を受け取った頃、部下のエグゼクティブ・アシスタントが辞表を提出しました。そのアシスタントはカナダの5年間MDRT会員であるRyanの家族経営会社(父で31年間MDRT会員のFrank P. Ryan, CLU、兄弟で4年間MDRT会員のFrancis J. Ryan, MBA,CEBSほか)を去り、給料だけでなく休暇も大幅に増加する連邦政府の仕事に転職しました。
その経験と米国、カナダ、英国、オーストラリア、ニュージーランドのTOTとCOT会員283名を対象に実施されたアンケート結果を見て、Ryanは新年を迎える前に5人のスタッフを昇給させる必要があることに気付きました。経営陣はすぐに全スタッフの給与を見直しこれまで以上に高い昇給を通常より1ヶ月早い12月1日から実施しました。
「この調査で最も印象に残ったことの一つは、平均以上の給料を払うと平均以上のパフォーマンスが得られるという点です。極端に給料を上げなくても適切な従業員を雇うためにやってみる価値があることに直感的に気付きました。今回の調査ではただスタッフを増やすというより、現在いるスタッフにより多く投資する必要性が明らかになりました」と150以上の団体保険および年金顧客の従業員給付と800世帯の包括的財務計画を手がけるRyanは述べました。
実際この調査によれば会員が経営する会社が2022年に優先的に投資したのは人員配置(49%)が他を引き離してトップに挙がり、次いで2位がマーケティング・広告・事業開発(18%)でした。収益性、パートナーの報酬、人材配置、福利厚生、事業継続計画などの分野で自身のビジネスと比較し強みとどこに改善の余地があるのかを特定することができました。
Jeremy Mark Wellington, Dip PFS, Dip CIIの気付きは収益率でした。英国の12年間MDRT会員であるWellingtonの会社は収益性のスコアが低いという結果が出たので事業効率を改善するためにいくつかできることがあることに気付きました。事業は143世帯のファイナンシャル・プランニングを手がけ、管理スタッフ1名、研修生アドバイザー1名(2021年のベンチマーク調査の結果を受けて採用)、戦略開発ディレクター1名が働いています。彼は以下の点を改善しました。
- 最近の顧客増や規制に対応できるCRMシステムに適したテクノロジーへ投資しました。その結果オフィスはペーパーレスになり、iPadやDropboxを使うことで会議ごとに200枚も印刷する必要がなくなっただけでなく、毎回1~2時間かかっていた準備を15~30分に短縮しました。
- クライアントの家族の若い人たちとのつながりを増やしました。Wellingtonは80代後半のお客さまのお子さんたちと相続税対策や財産設計について話すことにしました。計画プロセスに多くの人を巻き込むことで家族全体との関係が強固になったと感じています。既存の顧客を維持し新規顧客を開拓することにより承継計画や事業の将来性、効率性や収益性が確かなものとなりました。
- これまでオーダーメードで行っていた投資提案をより効率的なシステムに改良し、全ての人に同レベルのサービスを提供するとともに経費を削減し利益を増やしました。
- 若年層と高度障害所得補償に関連するクライアントの獲得戦略を改善するため、LinkedInを利用した活動に今まで以上に時間を割きました。
- 全スタッフ参加の月曜日の長いミーティングを金曜日の短時間の打ち合わせに変えることで、翌週の優先事項を話し合い、会議時間を減らし仕事をする時間を最大化しました。「以前よりはるかに多くのサービスを効率的に行っていますがこれもベンチマーク調査のおかげです。私たちは既存のお客さまへのサービスの質を低下させたくありません。サービスの効率化に注力することで既存のサービスレベルをもっと多くの人に提供できるようになりました」と言います。
人を増やすことに関しRyanはこの調査で得た情報を社員の囲い込みだけではなく採用にも活用しています。適切なエントリーレベルの候補者を見つけることは簡単ではありません。銀行やエンジニアリング会社、会計事務所なども同じような人材を探しています。Ryanは金融サービス業で高い実績を上げている企業がスタッフにいくら支払っているかという調査情報を活用し、データ入力や受付などの求人広告で給与の額を引き上げました。
その結果応募者の層が大きく変わり、単に仕事を探している人だけではなく経験を積んだ人が応募してくるようになりました。
「人件費が数千ドル増えてもビジネスが破綻するわけではないし、おかげさまでより良い候補者が見つかるようになりました。また人員配置や人事が優先事項であることを調査で知り、苦労しているのは自分だけではないという安心感が得られました」とRyanは語りました。
MDRTベンチマーク調査の詳細についてはshenn@mdrt.orgまたはldrucis@industryinsights.comまでお問い合わせください。
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Darren Ryan dryan@ryco.ca
Jeremy Wellington jerry@fpconcepts.co.uk