ハウスメーカーの営業から転職
大学を卒業後ハウスメーカーで営業を始めた木﨑会員は、31歳になってファイナンシャル・アドバイザーへ転身しました。当初はハウスメーカー時代の同期社員に対する個人営業から始めたといいます。ハウスメーカーで戸建て住宅を販売するのは、顕在化しているお客様のニーズに応える営業なので、私自身はそんなに難しくは思わなかった一方で、保険営業は戸建てのように簡単にはいきませんでした。当時の自身の営業について「今思えば、全く深堀りできていなかった」といい、「ダメなファイナンシャル・アドバイザー」だったと振り返っています。
家族経営の花屋の資金繰りをともに考える
なかなか営業成績が向上しないなかで、ある家族経営の花屋の店主から「実は保険料を支払うのが難しい」という想定していなかった告白を受けました。決算は毎年黒字で推移しており、左程問題があると思えなかったこのお店。木﨑会員が店主と向き合い細かく財務を見てみると、決算は黒字でもキャッシュフローは赤字という状況が数年にわたって続いていました。木﨑会員はその時「お客様のことをしっかり把握していなかった。本当に理解してお客様と向き合うことが大切だ」と痛感したといいます。木﨑会員は率先して税理士と相談を重ねながら、商工会議所からの融資を受けることなど店主とともに話し合い進めたといいます。手元資金が不足しているために、黒字経営でも厳しい状況が続いてしまう小規模な企業の状況を目の当たりにし、木﨑会員の営業方法は大きく転換することになりました。
小規模法人の資金繰りを学ぶ
木﨑会員が店主と二人三脚で財務改善に取り組んだ花屋の経営は立ち直り、業界水準よりも高い利益率を実現するようになりました。この経験を踏まえ、木﨑会員は中小企業の資金繰り、財務について積極的に学ぶようになったといいます。「実は中小企業の資金繰りのリアルな状況について、しっかり教えてくれるような研修はなかなか無いのが現実です。しかし企業の財務経験者がやっているセミナーなどを見つけては行くようにしました」。「ダメなファイナンシャル・アドバイザー」だった木﨑会員は小規模法人の財務に取り組むようになり、転身して5年目の36歳で初めてMDRT会員となりました。そしてそれまで「全く深堀りできていなかった」お客様を再度見つめ直し、自分に少しでも力になれることは無いか真剣に向き合うようになったといいます。
中小企業と伴走しより良い社会の実現へ
木﨑会員はお客様だったある法人経営者が亡くなった時、保険がもつ保障のパワーの大きさを感じたといいます。その企業の財務担当者が木﨑会員に対し「この保険金は何に使ったら良いでしょうか」と率直に質問され、「社員のために、事業の変革のために使って欲しいというのが亡くなった経営者のお気持ちだと思います」と答えたといいます。木﨑会員は保障の力を実感する一方で、この経営者を失ったことが企業に与えるマイナスの影響についても改めて思い知らされたといいます。葬儀中の多くの社員の悲しそうな表情を見て、保障では補いきれない人材の損失の大きさを感じました。社員に大きな影響を与える経営者の凄み、大切さを痛感した木﨑会員は、現在、より良い社会実現に貢献できるファイナンシャル・アドバイザーを意識しているといいます。「私は好きな経営者にはとことんお節介します。ときには厳しい指摘をして経営者に切られてしまうこともありますが、私の仕事は単に生命保険を提案することではありません。日本には7000万人もの中小企業に勤める人がいます。この人たちが幸せにならなかったら日本自体が幸せにならない。ファイナンシャル・アドバイザーとして中小企業の資金繰りから財務問題、経営者の意識変革に取り組むことで、社員の方々が幸せになる。経営や事業そのものの変革をお手伝いしていくことが私の仕事だ」と力を込めて語ってくれました。
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