アドバイザーがロックイン期間(訳注:資金移動ができない期間)のある長期投資商品にも流動性はあり、投資価値を高めるための設計だと明確に説明しても、見込客はお金を何年も拘束されることが受け入れられないかもしれません。
インド・ムンバイのMDRT会員1年目のAman Guptaが直面する中で最も多い反論は、ロックイン期間についてです。ユニットリンク保険(以下ULIP)の場合5年か10年は資金移動できないので多くの見込客はその制限を嫌い、制限無しに引き出しや売却ができる投資信託の購入を望みます。Guptaは商品についてより分かりやすく説明することが断り対応のカギだと考えています。
ロックイン期間に不安がある場合は、一括ではなく分割でお金を引き出すオプションのあるプランを紹介します。利用可能なプランの中から解決策を提示するアプローチを取って反対意見を持つクライアントとの信頼関係を構築し、投資を通して5年間資金を臨機応変に引き出すことを可能にしました。Guptaはまた債券から株式への切り替えやその逆など、他の柔軟なオプションについても伝えることが有効だと考えています。
シニアを味方に
見込客が異議を唱える理由は特定の層や年齢に関係していることがあるので、傾向を理解することは助けになります。例えば年配の方は投資プランを生命保険とセットで買うことに抵抗があるなど、年齢層独自の課題があります。
「このようなお客さまは定期保険に対して慎重です。手数料を余計なものだとして保険料に含まれることを嫌います」とGuptaは述べました。
シニアのお客さまの中には成人した子どもが海外に住んでいることも多く、保障がもたらすメリットについて納得してもらわなければなりません。
「ドイツ、米国、カナダなど外国にいるお客さまの多くはインドでプランに加入するとプロセスや待ち時間が長いと言って反対します。しかしプランの重要性や構造化された手法、私がファイナンシャル・アドバイザーとして最初から最後まで責任を持って対応すると説明すると、海外にいるお客さまのほとんどは生命保険やその他の節税計画の加入に同意します」
お客さまは通常ULIPに保険が含まれていることを指摘して反対します。全財産を投資信託や定期預金で運用できるのになぜ保険料を払わなければならないのかという断りに対して、GuptaはULIPプランの利点を明確な言葉で説明する必要があると言います。
「終身保険のベネフィットとともに、さらに重要なベネフィットとして加入の初日から新型コロナが保障対象になることを説明するのが有益です。コロナの保障を複数回利用できるプランの追加も助けになります。また満期金の非課税枠(訳注:インドの場合)も見込客の興味をそそります」と語りました。
オーダーメードの解決策を迅速に
反対意見に対処するもう一つの方法はプランを比較分析してそれぞれの違いを示すことです。この戦術は富裕層(HNW)のクライアントを担当する際に効果的であり、富裕層はアドバイザーに商品知識に加えて迅速な対応を求めていることをGuptaは経験を通して学びました。あるときHNWにユニットリンク型保険の提案をしたところ、10日以内にプランの切り替えができる競合他社の提案の方が優れていると言われました。このお客さまは市場が下落しているときの投資に不安を感じていたので、Guptaは時間軸にとらわれない保険料の安いプランを提案して対抗しました。その柔軟性によってお客さまは複数のファンドを切り替え、最高のリターンを得ることができました。
「お客さまは11%のリターンを確認すると電話をかけてきて、別のプランにも興味を示しました。ファイナンシャル・アドバイスには積極的な提案が必要です」とGuptaは言います。
高齢者のニーズに応えるときも富裕層に大胆なサービスを提供するときも、問題に対処するにはターゲット層が何を必要としているのかを理解することが不可欠です。Guptaはファイナンシャル・アドバイスのスキルを最適化するために必要とされるさまざまな手法を明確に理解しています。
「反対意見は文化や地理的な要因によってさえ異なることを学んできました。反論はプロセスの一部に過ぎず、商品知識や比較分析によるプランの利点の説明によって克服することができます。富裕層のお客さまは注文が多くスピーディーであることを求めるものですが、効率的で迅速なサービスを提供することにより問題を解決することができます」と語りました。
Shakunt Saumitraはアジア太平洋市場向けのコンテンツ開発でMDRTをサポートするコミュニケーション・エージェンシーTeam Lewisのライターです。連絡先は mdrteditorial@teamlewis.com。
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