友人からの喝「保険契約をしたら付き合いが悪くなった」
29歳でファイナンシャル・アドバイザーへ転身後、1年目の成績でMDRT基準を達成し、これまで27回連続でMDRT登録を続けてきたベテラン会員の米谷さん。転身当初は以前に勤めていた会社の同僚や友人などを中心とするベースマーケットで個人のお客さまを対象に営業活動を行っていました。上場企業の会社員からファイナンシャル・アドバイザーへ転身し、順風満帆かに思われた米谷会員は、友人のお客さまから厳しい喝を受けたといいます。「保険契約をしたらもう付き合いは終わりなのか」「友人である自分たちに対する保全を全くしていないのではないか」という厳しい叱責を受けました。「ファイナンシャル・アドバイザーの仕事が日々忙しくて、友人としての付き合いを怠ってしまっていました。厳しい言葉をかけてくれた友人には今更ながら感謝しています」という米谷会員は、持ち前の行動力を発揮し、その後大きな方向転換を行うことになりました。
方向転換の3年目、半年間の契約はゼロ
このまま個人のお客さまを中心とするマーケットを対象に長く仕事を続けると、お客さまの保全が疎かになってしまう。そう考えた米谷会員は、経営者を対象とする営業スタイルへの大きな方向転換を目指すことにしました。そのマーケットで好成績を上げている先輩を訪問してあれこれ質問したり、関連本を読み漁ったりして経営者に対する営業方法を学んでいきました。あまりに集中して学習したため、なんと半年に渡って一切の営業活動を休止し、その期間の保険契約はゼロになってしまいました。こうした学習のなかで、学生時代に学んでいた簿記の知識を生かして、決算書を徹底的に読み込んで会社の状況を把握し保険以外の全体的な問題に対して税理士などの専門家と一緒に問題解決・提案をするという方法に挑戦することになりました。
地方都市マーケットを新たな基盤に
方向転換の3年目。半年間契約がゼロだったにも関わらず、持ち前の行動力を発揮し短期間でMDRT基準を達成しました。経営者や企業マーケットの開拓を進めるなかで、米谷会員は新たな戦略に打って出ることにしました。それは、米谷会員が「地域限定型」と呼んでいる地方都市のマーケット開拓です。知人を頼りに、静岡県浜松市でその「地域限定型」営業をスタートしました。年間45週も現地へ足を運び、地元のレストランやBARにも足繫く通うことで、地域を深く知ることを目指しました。1日で10ヶ所程度訪問できるという限定地域を開拓することで、東京から遠く離れていてもお客さまをしっかり保全することができます。浜松市での営業が軌道に乗り始めた矢先、今度は熊本県に地盤をもつ知人から地域開拓の誘いが来ました。飛行機を使わないと通えない。そもそもそんな遠くで「地域限定型」が通用するのか。悩んだ米谷会員は米本社の先輩社員に1000キロも離れた先での地域開拓について悩んでいることを打ち明けました。しかし、米国本社の社員は「たったの1000キロ。私ならクルマで通うよ。隣町くらいの感覚だよ」とあっさり言われてしまいました。米国との距離感覚の違いに驚嘆したものの、新たな地域開拓へチャレンジしました。熊本へも1年目は45週程度通い、地域基盤をしっかりと構築していきました。米谷会員の「地域限定型」は大きな経営者マーケット開拓へ繋がりました。
強みを生かして継続率が高いビジネスモデルへ
MDRTや会社の国際的な会合に参加することのメリットについて、米谷会員に聞きました。「それぞれの文化の違いを痛感することがあります。1000キロ先の熊本を隣町くらいの感覚と言われたことには驚きました。保険をはじめとする金融商品は、かなり先に進んでいるという印象を受けることもあります。日本には無い商品の情報を聞くこともできます。営業方法についてもさまざまな情報交換によって自分の強みと弱みを理解できることに大きなメリットを感じています」。浜松や熊本だけでなく、最近ではさらに「地域限定型」の営業地域を増やしている米谷会員は、今でも若き日の「友人の喝」を忘れていません。「どんなに強い地域を増やしても、お客さまを疎かにすることはできません。保険の仕事は契約からがスタート。継続率が高いファイナンシャル・アドバイザーであり続けることが私の最も大切にしていることです」と力強く語ってくれました。
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