大金をかけずに富裕層(HNW)の見込客と付き合うにはどうすればいいでしょうか。カントリークラブで交流するには多額の費用がかかりますし、地元のコルベット・クラブに入会するにはスポーツカーを買わなければなりません。しかしワイン愛好家になることはできます。必要なのは少し勉強して、ボトルを買って、同じ趣味を持つ人たちとワインを楽しむこと。次のように始めることができます。
ワイン好きになる。富裕層と知り合うためにゴルフクラブに入会しても、プレーが下手だと彼らの輪に入ることは至難の業です。同様にお酒を飲まなければワインという共通の趣味を通じた出会いもうまく行きません。ワインの味わいを楽しむ必要があります。
理解を深める。ワインの味わい方を学んでください。ワイン講座に参加したり、ワインの本を買ったり、ネットで調べたりすることができます。また『サイドウェイ』(2004年)、『プロヴァンスの贈りもの』(2006年)、『ボトル・ドリーム』(2008年)といった映画を見て、ワインの魅力を学んでください。
富裕層とネットワークを築きたければナパ(カリフォルニア州)のカベルネ、ボルドーやブルゴーニュ(フランス)の赤など主流の銘柄を選ぶのがお勧めです。
良いワインショップを見つけ、オーナーと親しくなる。オーナーはワインの味わいやワインについて語り合う愛好家が集う地元のワインクラブを教えてくれるかもしれません。店内でワインメーカーの試飲会に参加してください。オーナーにワインを勉強したいと思っていることや希望する価格帯を伝えておきます。特定のワインを買うよう勧められたときはその助言に注意深く耳を傾けてください。ワインクラブにも参加しましょう。
近隣のレストランをチェック。ワインディナーは店頭での試飲よりさらに素晴らしいものです。レストランでは数種類のコース料理にさまざまなワインを合わせたテイスティング・メニューを用意していることがあります。このようなイベントは一夜限りですぐに売り切れることが多く、参加すればワイン愛好家たちと一緒のテーブルにつくことができます。
本格的なワインバーはどこ? お住まいの地域にいくつかあるはずです。見つけて常連になり、バーテンダーやソムリエと仲良くなってください。また、学びたいと思っていることを伝えてください。時間をかけていろいろなワインを味わえば、興味深い人たちと隣り合わせになれるでしょう。
自分が集中したいカテゴリーを1つ選ぶ。ブドウの種類は数えきれないほどあります。ワインは大きく分けると旧世界と新世界の2つのカテゴリーに分類できます。前者はヨーロッパのほんの一握りの国で、後者はそれ以外の全ての国です。富裕層とネットワークを築きたければナパ(カリフォルニア州)のカベルネ、ボルドーやブルゴーニュ(フランス)の赤など主流の銘柄を選ぶのがお勧めです。ワインはあらゆる種類を楽しむことができますが、金融サービス業と同じで専門家になるべき分野は1つか2つです。
ワインを買って味わう。カテゴリーを決めたらワイン商に相談し、ご自身の興味に基づいた提案をしてもらってください。友人を集めて定期的にワインの試飲会を行うこともできます。お互いにワインを買ったり持ち寄ったりすれば徐々に味覚が育っていくでしょう。
最高のボトルを買う。一般的に15~20ドル出せばおいしいワインがたくさん見つかります。50ドルクラスのものは風味が豊かです。100~500ドルのワインは芳醇な香りを放ちますが、高価なので友人とお金を出し合ってでも最上級のワインを買ってみてください。最高のものはどんな味がするのかを学ぶことは、本格的なワイン愛好家と交流するとき重要な経験になります。
良いグラスを買う。きちんとしたワイングラスを持つべきです。オーストリアのリーデル社は最高品質のメーカーの1つです。同社のグラスは高価ではないのでワインショップや高級スーパーで扱っているはずです。無ければネットでも買えます。万能型のワイングラスを少なくとも6個はそろえましょう。
ワイン業界誌を1誌以上購読。最も有名なのはDecanter(英国)、Wine Advocate、Wine Spectatorの3誌です。定期購読し、毎号隅から隅まで読んでください。現在のヴィンテージの品質やワインに関連した記事について意見を持ちましょう。この知識は会話の際に重宝します。
富裕層の趣味の多くは閉鎖的で経済的にもハードルが高いのですが、ワインにはそのような障壁がありません。
休暇を利用してお気に入りのワイン産地を訪れる。好きなワインがどこで造られているのか見に行き、醸造家と話してください。晴れた日にブドウ畑近くの歩道に面したカフェでいただくワインは格別です。この経験は新しいワイン仲間との会話にさらなる深みを与えてくれるでしょう。
ワイン・オークションや特別イベントに参加する。カリフォルニア州やニューヨーク州はワイン・オークションを許可しています。慈善団体はガラ・イベントのオークションにワインを出品しています。コンベンション・センターでは多くのブースが出店するテイスティングのイベントが実施されているかもしれません。自分の住んでいる地域でこのような催しがあれば興味深い人々に出会えるでしょう。
ワインの知識を持つとどんな未来が開けるでしょう。ワインバーやワインショップで同じ趣味を持つ人々と時間を過ごし、地元のコミュニティの一員となりイベントに参加しワイン愛好家のお客さまを持つことになります。この戦略が効果的なのはなぜかというと、ワイン愛好家はワインについて語り、ワイン仲間や真摯に学ぼうとする初心者と話をするのが大好きだからです。富裕層の趣味の多くは閉鎖的で経済的にもハードルが高いのですが、ワイン鑑賞にはそのような障壁がありません。ワインを趣味にする富裕層は多く、大金を投じなくてもワイン愛好家の仲間入りをすることができます。
Bryce SandersはPerceptive Business Solutions Inc.の社長。金融サービス業界で富裕層クライアント獲得のためのトレーニングを提供している。著書の“Captivating the Wealthy Investor”はアマゾンで購入できます。Contact: brycesanders@msn.com