トップ・オブ・ザ・テーブルへの昇格を阻む最大の課題は何でしたか?
私は銀行から30代半ばでファイナンシャル・アドバイザーに転身しましたが、1年目の成績でコート・オブ・ザ・テーブル(Court of the Table)基準を達成し、その次の年にはトップ・オブ・ザ・テーブル(Top of the Table)基準に到達しました。こうしてお話すると、簡単にTop of the Tableになったと思われるかもしれませんが、その後の成績は安定しませんでした。 Top of the Table基準をクリアできる年もあれば、それに満たない年もあるという状況です。なぜ安定しなかったのか。それは自分の強みを明確にできていなかった。自分自身のブランディングがまだ確立できていなかったからだと思っています。実は自分のブランディングを確立するために、その後10年近くの歳月を費やすことになりました。
どのように自分の強みを確立したのですか?
自分の強みを明確にするために徹底的に勉強しました。とくに保険にかかわる税務と法務について、まずは知識を蓄えることが重要だと感じていました。これと並行して、パートナー作りにも取り組みました。税理士や弁護士、社労士などの士業の方々との強い関係を作ることで自分の強みをより明確にしました。こうした取り組みによって、お客さまに安心してお任せいただける自分のブランディングができたと考えていますが、これは簡単なことではなく、長い年月を重ねて積み上げてきたものです。
現在の強固な基盤を支えるプロセスは?
私は銀行員から転身したファイナンシャル・アドバイザーなので、企業の財務分析をできることが元来の強みです。これに税務や法務の深い知識と強固なパートナーとの連携によって、自分ならではの営業スタイルを確立してきました。私は見込みのお客さまを企業の財務データを分析することで見つけ出し、その会社について事前に徹底的に調査します。調べ上げたうえで、保険商品が必要だと思われる企業に対して、直接アプローチします。お客さまからの紹介やセミナーなどによって見込み客を開拓するのが一般的な方法でしょうが、私は企業のデータを調べ上げることで見込みのお客さまを見つけているのです。このスタイルであれば、データ調査の精度さえ高ければ、お客さまの開拓はブルーオーシャンの市場です。
MDRTで学んだことは?
「フランク・シナトラはピアノを運ばない。」これは私が初めて行ったアニュアルミーティングの講演でお聞きしたことです。フランク・シナトラのやるべきことはピアノを運ぶことではなく演奏することです。ファイナンシャル・アドバイザーも自分のやるべきことに集中しなさい、という教えでした。私は当時、そのアニュアルミーティングから帰国して早々にアシスタントを雇い、自分はお客さまと会いお話するというファイナンシャル・アドバイザーの本来の業務に集中するようになりました。最近参加したアニュアルミーティングでも「あなたは時給4000ドルの仕事をしていませんか」という似たようなお話をお聞きしました。こうした講演は今でも私の営業活動に重要なヒントを与えてくれています。ですから、私は毎年必ずアニュアルミーティングに参加していますし、私の今のビジネスモデルはMDRTでの活動があったからこそ生まれたものです。
MDRT会員へのメッセージをお願いします
私が初めてTop of the Tableミーティングに参加した2005年、日本人はたったの5人しかいませんでした。それが今では毎年70人以上が参加するようになりました。現在MDRT会員の方には、是非Court of the Tableを目指してほしいですし、Court of the Tableの方はTop of the Tableを目指してほしいと思います。 Court of the TableにはCourt of the Tableにしか見えない景色があります。 Top of the TableにはTop of the Tableにしか見えない景色があります。ご自身の成長のために是非MDRTを活用していただきたい。私は自分がもつ財務分析の基盤を最大限に生かして、ブルーオーシャンともいえる市場を開拓してきました。誰かがやっている方法、流行りといわれる方法を真似するのでなく、自分自身のスタイルを見つけ出して欲しいと思います。自分自身のスタイルを身に着け、自分のブランディングを確立することは大変な困難を伴いますが、だからこそお客さまにとって最適なパートナーになれるのです。
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