By Joseph W. Jordan
このビジネスには断り、否定や拒絶が多いので、自発的なモチベーションだけでは乗り切れません。自分を突き動かすインスピレーションが必要です。
インスピレーションを感じるためには「自分は他の人の人生に最も重要な影響を与えることができる」と信じる必要があります。皆さんの行動の結果、大黒柱を失ってもご遺族が生活を続けられ、経営者を失った中小企業が存続でき、レガシーが生まれるのです。
信念は原動力
皆さんの願望や目標が信念とシンクロしていなければ、本心は必ず表面化してしまいます。お金を稼ぐことだけが目標なら金融サービス業界では誰も話題にしないこと、つまり「自尊心の低さ」に悩まされることになるでしょう。
業績に関する慢性的な問題は全て行動が招いた結果です。これを克服するには、皆さんがお客さまや地域社会に与える影響を称賛する文化や考え方を創出しなければなりません。その一つの方法はMDRTの大会に参加することです。まず価値を生み出す目的を持ってください。お金は後からついてきます。利益至上主義の会社が有益な組織になることはめったにありません。
意義ある人生を生きることの難しさは、即座に得られる満足があまりないことです。
— Joseph W. Jordan
見込客探しを再定義
ほとんどの方は見込客探しと断りを避けたいと思っています。そこで提案があります。「毎日見込客にコンタクトを取る」と誓ってください。つまり、週に5日、○人に会ってもらうと決めるのです。この仕事を始めたばかりの新人なら、10人では足りません。もっと経験のある方なら、10人以下ということもあるでしょう。結果をコントロールすることは誰にもできませんが、この誓いによって日々の活動量を管理することができます。ガンジーは「真の満足は達成にあるのではなく、努力にある」と言いました。総合的な努力は総合的な勝利をもたらします。
作家であり講演者でもあるNick Murrayは「この職業におけるたった3つの変数」を定義して最もうまく表現しました。
- 仕事の質
- 自分の仕事を見せたい人の数
- 自分の仕事を見せた相手の反応あるいは無反応
皆さんがコントロールできるのは最初の2つだけです。最初の2つに集中すれば、最後のひとつはおのずとついてきます。さらにMurrayはこの世には3種類の人間しかいないと言っています。
- あなたのアドバイスに耳を傾ける人
- あなたのアドバイスに耳を貸そうとしない人
- あなたのアドバイスを聞いたことがない人
皆さんの仕事は「あなたのアドバイスに耳を傾ける人」を増やし、「耳を貸そうとしない人」とは関わらず、「聞いたことがない人」に語りかけて「耳を傾ける人」に変えることです。
問題そのものが問題なのではありません。お客さまは問題をどう考えればいいのかさえ分かっていないのです。求めているのは商品ではなくプロセスです。自分の言葉で未来を見通すための手助けが必要です。私たちの提供する商品がどんな働きをするかに関心はなく、ただ自分の話を聞いてもらいたいだけなのです。目標は売ることではなく、顧客に理解してもらうことです。
意義ある人生とは短距離走ではなくマラソンです。意義ある人生を生きることの難しさは、即座に得られる満足があまりないことです。やりたくなくても、重要なことに集中しなければなりません。これを実行するのは時として難しいものです。
意義ある人生の旅は苦しみではなく新たな発見に歓喜することです。悲劇だと思っていたことが勝利になることもあります。人それぞれの旅がありますが、非常に良い暮らしができて、他者への義務も果たせる職業はそう多くありません。成功とは欲しいものを手に入れることであり、幸福とは自分が手に入れたものに満足することです。
Joseph W. Jordanは"Living a Life of Significance"の著者。本記事は2017年MDRTアニュアル・ミーティングで行ったプレゼンテーション“Adapt or die: A survival guide for a changing world”(適応か死か: 変化する世界を生き抜くためのサバイバル・ガイド)からの抜粋です。講演内容はmdrt.org/survival-guide-for-changing-worldでご覧ください。
アドバイザーの成長を妨げている可能性のあるもの
By Chee Hong Gan, ChFC, CLU
思ったように成長していないと感じたら、ご自分の信念を見直してください。自分にも人にも明快に説明できる信念がないとすれば、それが足かせになっているかもしれません。ことわざにもあるように、志がなければつまずきます。信念はあなたの行動の原動力です。
私の会社(代理店)では、アドバイザーが信念を明確に持てるようにディスカバリー・プロセスを実施します。これは大変重要なプロセスです。アドバイザーが信念を持たなければ、ファイナンシャル・プランニングにおいてモチベーションを高く持てない分野が存在するかもしれないからです。私たちの見てきた限り、さらなる進歩を目指して自分の信念の限界を高く超えようとするアドバイザーは、より大きな成功を収めます。
能力に制限をかけてしまう考え方
ブレーキをかけてしまう固定観念の一例として「終身保険の保険料は高額なので、必要な死亡保障を確保するなら定期保険で十分だ」というものがあります。そこで「あなたが68歳で退職した場合、75歳、さらに85歳まで定期保険の保険料を支払い続けたいと思いますか」と質問してみます。定期的な所得がなくなる年齢になっても保険料を払い続けるというシナリオは良いとは思いません。次に「新たな病気が見つかった場合、70歳以降は定期保険の更新ができないことを不満に感じませんか」と尋ねます。このような仮定に基づく質問は、彼らが自分の考え方に疑問を持ち、新たなシナリオを考えることを促します。
私たちの質問ライブラリーは6つの大まかなカテゴリーに分類してあります。
- 収入確保
- 富を築く
- 支出管理(住宅ローン、税金、その他の負債を含む)
- 富の分配
- ライフイベントに備える(車/家の購入、旅行/結婚式の計画、出産、起業など)
- キャッシュフロー計画(能動的/受動的所得、経常/単発経費)
明確な信念を持たなければ、アドバイザーは自らが提案する行動指針に情熱を持てず、クライアントの否定的な考え方に流されてしまい、ファイナンシャル・プランニングを進めることができなくなる可能性があります。ファイナンシャル・プランニングに情熱を持てない人がどうやってクライアントのやる気を引き出すことができるでしょうか。
不同意に同意を示す
顧客の信念とアドバイザーの信念が異なることもあります。その場合はお互いの考え方が違うことに同意すれば良いのです。必ずしもお互いの信念を一致させる必要はありません。クライアントにはそのような信念を持つに至ったさまざまな事情があるはずです。プロのアドバイザーとして、その違いを尊重することも重要です。アドバイザーが「自分が何を信じるか、なぜ信じるか」をクライアントに伝えることは可能ですが、必ずしも同意してもらう必要はありません。
これはアドバイザーにとって重要なスキルです。なぜなら人は自分と意見の違う人を嫌う傾向があるからです。私たちはアドバイスを提供するプロであると同時に、クライアントの置かれている立場を尊重しなければなりません。クライアントと言い争いになることは避けたいものです。反論しても考えは変わりません。むしろもっと反対されるでしょう。クライアントへのサービスに情熱を持ちつつも、全ての人が自分と同じ意見というわけではないことを理解しなければなりません。そのバランスが大切です。
(Vincent)Chee Hong Ganはシンガポールの14年間MDRT会員です。動画“Align with clients quicker: Understand how they react in difficult times” (顧客と迅速に寄り添う: 顧客は困難にどう反応するかを理解する) はmdrt.org/align-quicker-with-clientsでご視聴いただけます。Contact: vincentgan@thevinceproject.com
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