4年前、Rickson Joel D’Souzaは彼の提案を実行したクライアントについて、毎月数件のケース・スタディーをソーシャル・メディアで紹介していました。しかしある時アラブ首長国連邦ドバイの20年間MDRT会員の彼にも紹介できるケースがなかった週がありました。そこで、チームに「素晴らしいケース・スタディーになりそうな未加入のお客さまを取り上げるのはどうだろう」と問いかけました。
「社交の場で出会ったある見込客はその後1年半、私と商談を続けましたが、ご成約に至っていませんでした。私を問題解決ができる思想的なリーダーだと感じていただけなかったからだと思います。そこで提案している保険に加入した場合のケース・スタディーを示したところ、その方は自分の人生の物語が明らかになっていくのを感じ(事実は語るが物語は売れる、といつも仲間のアドバイザーに話しています)、私とのビジネスが解決策になるかもしれないことに気付いて提言を実行してくださいました」と言います。
D’Souzaは5年にわたりフィリピンとノルウェーを拠点とするコンテンツ管理チームと協力しLinkedIn、Instagram、YouTube、Facebookでケース・スタディーを共有してきました。
アドバイザーがどうやって見込客の個人情報に関わるケースを共有できるのか、なぜ他のアドバイザーが利用するかもしれない解決策を顧客以外の人に提供するのか疑問を持つかもしれません。
事例を作る
心配はいりません。D’Souzaが見込客のケース・スタディーを毎月シェアするときは職業、国籍、子どもの性別、関係者の正確な人数など数多くの情報を変更しています。ケース・スタディーを読んでも取り上げられている人物が誰なのか分かりません。実際に2人の見込客(事業を経営する兄弟で流動性を高めるためさまざまな保険プランの助けを必要としていた)がケース・スタディーの対象者の妻に見せたところ、それが自分の家族の話であることに気付きませんでした。
最初ケース・スタディーをテキストの形で投稿していましたが、LinkedInでは動画に進化しました。自分の事例が匿名で取り上げられているのを見た見込客は数日後に面談をするために連絡してきます。D’Souzaは富裕層の見込客がLinkedInを見ていないと推測すると関連するケース・スタディーをメールまたはWhatsAppで送信します。
アドバイスを無料で提供していることについて、D’Souzaは他のアドバイザーが提供したことがなくGoogleやAIで検索しても見つからない答えを与えることはないと言います。お客さまはそのアドバイザーとの相性が良いからビジネスをくださるのです。「私が示した解決策を他のアドバイザーから加入したとしたら、その人は最初から私の見込客ではなかっただけです。その行動がその人の本質であるなら、そもそも一緒に仕事をしたかったのか自問する必要があります」と述べました。
個人的な利益が保障されていないのにアドバイスを共有するのはD'Souzaにとって珍しいことではありません。自分が投稿したケース・スタディーについて他のアドバイザーから助言を求められたら迷うことなく協力します。MDRT会員同士がオープンに情報を共有するのと同様に、D’Souzaから見ると他のアドバイザーは助け合い学び合う人材プールであり、避けるべき競争相手ではありません。クライアントより紹介者との面談が多く、それが新規顧客を引きつける要因にもなっています。彼は30~35人の紹介者から10~12人の見込客を得て、その中から年間約4人のお客さまを獲得しています。現在は45人の富裕層と超富裕層の生命保険クライアントと資産管理サービスも提供する87人の相続関係のクライアントを担当しています。
最後までやり遂げれば何らかのビジネスが生まれるかプラスになることが起きます。
—Rickson D’Souza
彼は担当するお客さまに条件を付けない哲学によっても新規のお客さまを勝ち取っています。D’Souzaは家族がらみで銀行から5000万ドルの保険に加入した方から助言を求められたことがあります。自分のお客さまから紹介された方を援助したことに対して少なくともその2人から感謝されました。それだけでなくその方は妻のために4000万ドルの保険をD’Souzaから加入し、さらに5000万ドルの保険も彼に委託しました。
「この経験はすでに保険に加入している人を探し出し、私が今からでも助けたいと思っていることを示す必要があることを教えてくれました」と言います。
そこで彼はすでに他のアドバイザーがついていても理想的なプロフィールの方には無料の保険監査を提供しています。時には他のアドバイザーが見落としていることに気付きます。例えばかつて喫煙者だった人が禁煙したのに保険料の条件を更新していなかったことなどを見つけることがありました。
ケース・スタディーと同様にこのアプローチは意図的ではなくむしろ「うれしい驚き」でした。また短期的な取引ではなく長期的な関係に焦点を当てた結果でもあります。この経験は別のアドバイザーに何年もランチをおごってきたときに得た教訓を強化するものでした。ごちそうすることにメリットがあるのか疑問が湧いたちょうどそのころ、そのアドバイザーはクライアントを紹介してくれ、もう6年間も続く素晴らしいお客さまとしてお付き合いさせていただいています。
「全てを考え直すきっかけになりました。最後までやり遂げれば何らかのビジネスが生まれるかプラスになることが起きます。それが実現した今、これは戦略となっています」とD’Souzaは語りました。
Contact
Rickson D’Souza letstalk@ricksondsouza.com