0(ゼロ)の工程を大切にする
人と話すことやアピールすることが苦手だったにも関わらず、保険営業という仕事に飛び込んだ尾田政和会員。そんな自分を変えるため、「1日10人の人に会わないと家に帰らない」というマイルールを作り、3年間そのルールに則って活動を行った結果、3年で売上トップを掴み取った。「ただただ人と会うこと、これはもう僕の中の自分の訓練です。もう人と喋れるようになるぞと。」
会話をしていくうちに、「尾田さんって仕事何やってるんですか?」という話になり、「実は生命保険の仕事させていただいてるんです」「ちょっと僕の見ていただいていいですか」といった声がどんどん上がっていくようになったという。「ありがたいことに、知識を特に学んだわけでも、ロールプレイングを特に磨いたわけでもないんですけど、そうやってコミュニティができて、お声をいただくようになって、ちょっとずつですけど、営業の成績がうまくいくようになりました。」
「とにかく人と会う、話す」ということを大切にしてきた尾田会員はある考えに行き着く。それは「売らない営業」だ。
営業には大きく分けて、①アポイントをとる ②初面談 ③プレゼンテーション ④クロージングという4つの工程がある。尾田会員は、その4つの工程を全てお客様からアプローチされており、自分からは一切働きかけずに契約まで至るのだという。
なぜそういうことができるのか。それは尾田会員が0(ゼロ)の工程を大切にしているからだ。0の工程、つまり自身の原点でもある「人と会うこと」だ。
人に会い、話し、信頼を勝ち取ったのならば4つの工程は全てお客様からアプローチしてもらえると尾田会員は語る。「僕が経験した中で、多くの上手くいってない方っていうのは0(ゼロ)の工程を結構蔑ろにして、いきなり人と会って、うまくアポイントとってうまくプレゼンテーションして、うまくクロージングして何とか契約いただけたらなっていうとこに力を置いている営業マンさんが何か多い気がして、僕はちょっとその0(ゼロ)の工程を一番大切にしてます。」と語る。
見えない0(ゼロ)の工程を大切にすることこそが、最も生産性を高める近道だと尾田会員は信じている。
業務を他人に任せる・脳にあるストッパーを外す
昨年初めてトップ・オブ・ザ・テーブル基準を達成した、日本会の益田直樹会長。個人保険中心のファイナンシャル・アドバイザーにとって、トップ・オブ・ザ・テーブルは大きな壁といえるだろう。
トップ・オブ・ザ・テーブルより前、まだコート・オブ・ザ・テーブル基準に未達成だった頃、米国本部の委員を務めていた益田会員は、本部の委員が集まった会合でスコットランドからの先輩会員にコート・オブ・ザ・テーブル基準を達成するための貴重なアドバイスを受けた。「なんでも一人でやるのではなく、自分にしかできないファイナンシャル・アドバイザーとしての仕事に集中した方がいい」と言われ、早速帰国後に秘書を雇うようにしたという。秘書を雇うことにより、ファイナンシャル・アドバイザーとしてのプロフェッショナルな業務にそれまで以上に集中できるようになった益田会員は、コート・オブ・ザ・テーブル基準を達成することができた。
その後、トップ・オブ・ザ・テーブル基準を達成した益田会員は、達成前を振り返り、「トップ・オブ・ザ・テーブル基準の達成を阻むものは自分自身の思考や思いといったものだと考えている」と語っている。「例えば、現在会長をやらせていただいているMDRT日本会の公務がかなり多いといったことや、家庭を大切にすることで仕事との両立が難しいとか、90%を個人保険でやっている自分にはトップ・オブ・ザ・テーブルの基準は達成困難だとか、トップ・オブ・ザ・テーブルを達成されているファイナンシャル・アドバイザーの方々はお客様に恵まれていて、自分には難しいに違いないとか、そういう思いが自分自身にブレーキをかけていました。」自分自身で自分の脳にストップをかけてしまう、それが課題だったと益田会員は語る。
トップ・オブ・ザ・テーブルに達成できず悩んでいたころ、Regina Bedoya(レジーナ・べドヤ)MDRT元会長に会う機会があった益田会員は、率直に相談をしたという。「君なら絶対に達成できる。そのためにはお客様のトップ20%の方のアポイントをとって面会するのが良い」、そうアドバイスを受けたという。益田会員は、レジーナ元会長にいただいた青い海のカフスボタンを身に着け、元会長の写真が印刷された名刺をデスクにおいて、残り1か月程度の期間にトップ20%のお客様とアポイントを取り続けた。そして、幸運にも「連絡しようと思っていた」「紹介したい人がいるからすぐに来て欲しい」といったお客様がいて最終的にトップ・オブ・ザ・テーブルの基準を達成することができた。
益田会員の課題であった、脳にあったストッパーを外したのはレジーナ元会長へ達成報告をしたい、というモチベーションだった。「私自身がもっていたブレーキを外してくれたのはレジーナ会長の存在でしたが、MDRT会員の方々にとっては、そうした存在がMDRT日本会の周りにもいるのでないでしょうか。日本会の仲間と語りあい高めあうことで「自分の脳にあるストッパー」を外していただきたいと思います。」
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