Dyah Eka Widyantiは勤続15年になる銀行員として融資を担当していました。ある日、元同僚で保険業界に転職した友人からファイナンシャル・アドバイザーを目指す人向けの講演に誘われました。
「当時の私は自分の5年後の目標をかなえられるだろうかと悩んでいました。そして保険業界への転職が、経済的な自由とより多くの時間を得て、老後に備えて資産を形成する最速の方法だと気付きました」
インドネシア、ジャカルタの16年間MDRT会員のWidyantiは保険営業を崇高な職業と捉え、シャリア保険というイスラム教の認める商品の提供に重点的に取り組みました。
「私はインドネシアのあらゆる家庭に保険により経済的な安定を提供し、ご家族のレガシーと安定した収入の確保を手助けをしたいと望んでいました。保険とは愛と責任の証しです。インドネシア社会で保険未加入の世帯は、大黒柱が亡くなったり家族が病気になったりすると、子どもや女性は苦境に立たされます」と続けました。
顧客の求めを最優先すべきという考え方が一般的なため、特定の保険ばかり勧めるアドバイザーと誤解されることを当初は心配していました。しかし契約者が自分と家族を守りながら何千人もの加入者を支援できる手段としてシャリア保険を知り合いに紹介してくれたことで、不安を克服し自信を深めました。現在彼女は500人を超える顧客を抱え、シャリア保険が売り上げの90%を占めています。
シャリア保険とは
シャリア保険は、清浄、確実性、相互扶助の概念から成るイスラム教の教えに基づいています。多くの保険は基本的に被保険者から保険会社にリスクが移転されるのに対し、シャリア保険の契約者はアラビア語で寄付、贈り物、貢献を意味する「タバッル」と呼ばれる寄付を行います。タバッルは見返りや返済を期待しない善行です。タバッルは「タカフル」と呼ばれる資金源として、利益ではなく、病気、障害、事故、死亡など苦難に見舞われた他の加入者への保障に充てられます。加入者は資金を共同所有し、保険会社は手数料を徴収してシャリア監督委員会のガイドラインに従って資金を管理します。
一部のお客さまはイスラム教徒以外であったり、イスラム教になじみのない人もいますが、そういったシャリア保険の加入者は宗教、民族、国籍、居住地に関係なく、より広くコミュニティを支援できるコンセプトに魅力を感じているとWidyantiは述べます。また、シャリア保険の相互扶助の原則は、従来の保険商品に不信感を持つ方にも魅力です。
「通常、慈善活動で直接手を差し伸べられるのは1人か2人です。例えば経済的に困窮した家族や友人などを助けることができる場合もあります。しかしシャリア保険ではリスクや災害に直面する何十万、何百万人もの加入者を支援できます。非イスラム教徒のお客さまからなぜシャリア保険を勧めるのかと聞かれたら、シャリア保険はイスラム教徒だけのものではなく、相互扶助というあらゆる宗教の教えに沿うものだからと説明しています」と話しました。
ある事例
シャリア保険は相互扶助というイスラム教の教義だけでなく、コーランが教える将来への備えにも沿っています。Widyantiは高額の保険金が再保険会社を通じて支払われるケースでも、迅速に保険金を届けるサービス姿勢を強くアピールします。2021年に大腸がんで亡くなったお客さまがいましたが、生命保険の請求1ヶ月後に94万ドル以上が支払われました。この方は10年以上前に加入した4つの重大疾病保険から2件給付金請求をしていました。1件目は心臓のステント手術で、2件目はその3年後にがんと診断された際の給付金でした。合計27万5,000ドル近くの給付金は申請から2週間以内に支払われました。
Widyantiは商品がより洗練され、また資産を守る重要性に対する認識が高まるにつれてシャリア保険がさらに普及するだろうと信じています。また、シャリアの透明性や金利による利益の取得が禁止されていることに共感する人々からも支持を集めています。
「常に前向きで諦めず、学び続けること、勝者のマインドで慢心せず心からお客さまに誠心誠意尽くすことを心掛けています。この心構えとシャリア保険の販売に注力することで、多くの大きな勝利を得ました」と語りました。
Lia Eunika PamelaはMDRTのアジア太平洋市場のコンテンツ開発を担当するTeam Lewisのライターです。Contact: mdrteditorial@teamlewis.com
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Dyah Widyanti dyahekawidyanti@gmail.com