
なぜ熟年世代にリタイアメント・プランニングを勧めるのですか。
理由はいくつかあります。まず、韓国はOECD加盟国中で最も出生率が低い国です。その結果、高齢化が最も急速に進んでいます。私がアドバイザーとして18年間活動し出会った方々の中で老後に備えた資金計画をしっかり準備している方、前もって計画を立てている方はほとんどいませんでした。私に相談される方々のほとんどは40代から60代ですが、老後については漠然とした考えしか抱いていません。しかし今から準備しなければ定年の年齢を迎えても引退できないのです。そこで準備をお手伝いしたいと思いました。私はこのマーケットに専念しており、私のクライアントは老後を安心して迎えられますし貧困に陥ることもありません。
熟年世代をどのように説得するのですか。
私はクライアントとよく話をしてどんなプランを持っているのかを尋ね、ご自分の将来をイメージしてもらうことに時間をかけています。今後直面する状況にどう対応するのかをストーリー仕立てで伝えると、クライアントは引き込まれるように私の話を聞きます。そうすれば私がする提案に関心を持ってこちらの意図を理解してくださいます。
ニュース記事以外では統計データも多用します。普段は韓国総合株価指数と米ドルのチャートを見せて両者の逆相関を説明しています。例えば韓国が競争力を失った場合に備えて資産価値が下落するのを防げるドルや金などの代替投資の指数を紹介します。また人口動態のデータを使い、国の競争力が人口動態や高齢化で影響を受けることも示します。クライアントには、たとえ余裕がなくても少しでも老後に備えることが何よりも大切だと必ず伝えています。
相談を受けて良い結果に繋がった例を聞かせてください。
あるクライアントから医療保険が高過ぎるという相談を受けました。情報を共有していただく同意を得た上で、加入していた保険の保障内容を全部調べた結果、費用を抑えられるとお伝えしました。おもしろいのはこの方は本当に保険が好きで、20もの保険に加入しておられました。
その中には保障内容が重複しているものもありました。そこで保障を変更した場合の保険料の比較表をビフォーアフターでお見せしました。また、現状と今後の方向性についてもアドバイスしました。その結果、支払う保険料に大きな差は出ませんでしたが、保障の質が良くなったのでとても満足してくださいました。
私は常にお客さまに貯蓄の目的をお聞きし、それぞれの貯蓄商品に「老後の旅行資金」などのタグを付けています。さらに保険を選んでいただく段階で受取額をシミュレーションします。そうすることでいくら足りないのか、いくら必要なのかが見えてきます。このようなやり方で老後の資金計画の相談をお受けしています。
Yoon Suk Kimは韓国ソウルの13年間MDRT会員。Contact: doonbuk@naver.com。