取引先の従業員が仕事や私生活に悪影響を及ぼすさまざまな健康問題を抱えている場合、アドバイザーはただ福利厚生について説明するだけで十分でしょうか?
「予防は最大の治療」という言葉を強く信じるCorey Williamsは十分だと思いませんでした。ニュージーランド、クライストチャーチの12年間MDRT会員のWilliamsは全国展開する建設会社の本社および保険会社と協力し、高コレステロールと肥満率を特定する無料の健康診断を実施するだけでなく、週3回のウォーキング・クラブまで作りました。賛同者は予想をはるかに上回り、個人で参加する人もいればチームで協力する人もいて社内の交流が深まりました。個人の目標を達成した人は2日間の有給休暇が追加され、結果として参加者全員に利益が及んだことは注目に値します。
「建設会社は私と保険会社が従業員の福祉のために協力し、建設会社のコストを削減しながら積極的な健康法で保険請求を減らしたことに感銘を受けました」と言います。Williamsは11人からなるリスク専門家、投資アドバイザー、オフィス・マネージャー、サポート・スタッフのチームのひとりとして、30社以上の従業員福利厚生を担当しています。「主力商品だけではなくて、それ以上に何ができるか考えました」
個人的な繋がり
このウォーキング・クラブはWilliamsの経歴と彼がすでに建設会社と築いていた関係から生まれました。彼は自転車競技の元チャンピオンで高いパフォーマンスに栄養が果たす役割を理解しており、妻はメンタルヘルスとライフスタイル医学を専門とする医師で、すでに自身のクリニックでウォーキング・グループを立ち上げていました。Williamsはウォーキング・グループが建設会社の社風に適していて座りっぱなしの職場環境を改善するのに役立つことに気付きました。
そこでウォーキング・グループに関する情報を会社の人事担当者と共有しました。人事担当者は同様のグループを発足させたいとWilliamsに依頼したので、保険会社の協力を仰ぐことにしました。さらに良い結果を得るため栄養コンサルタントや足の専門医、健康の専門家を招き、食事と足のトラブルへの対処法やウオーミングアップの疑問点について詳しくアドバイスしてもらいました。
この取り組みを推進する社内の支持者の助けもあり、多くの人がこのプログラムを受け入れ目標が達成できるようにお互いに助け合いました。
ニュージーランドの建設業界は自殺率が高くメンタルヘルスの課題も多いため、同社は当初メンタルヘルスだけに集中しようとしていました。その一方でWilliamsは従業員が会社に知られたり偏見の目で見られたりすることなく、完全に独立した形でメンタルヘルスの専門家に相談できるよう福利厚生の商品に無料の従業員支援プログラムを組み入れる交渉を手助けしました。
この取り組みの成功とプログラムの支持者から得られた喜びの声によりWilliamsは会社とうまく交渉でき、後のウォーキング・クラブ設立に繋がりました。
戦略的支援
Williamsはこの6年間、ニュージーランドの保険会社が取引先の従業員の健康に対してより積極的なアプローチを取るのを見てきました。健康な人ほど給付金請求が少なく、請求額も少ない傾向にあるからです。Williamsは自身が注力している差別化されたサービスを売りにしているわけではありませんが従業員福利厚生に企業とは違う「人間らしさ」を取り入れた結果、口コミで以前より大きなクライアントを獲得できるようになりました。
「この傾向は最近ますます明らかになっています。従業員を大切にすると、従業員はお客さまを大切にし、その結果お客さまは皆さんのビジネスを大切にしてくれます」と述べました。
Williamsはある国際的な食品会社で、家畜のさまざまな部位の加工に携わる従業員が(精神的な健康問題に加え)筋肉の問題を数多く経験していることを突き止めました。彼は保険会社と協力し、作業療法士を工場に派遣して従業員を観察させ一人ひとりのためのプランを作成しました。
ある従業員はこのアドバイスを元に腕の使い方を調整し、牛枝肉の脱骨作業による痛みを軽減しました。また自宅でできるエクササイズを教わって筋力を高めました。結果として工場内の健康状態が改善し欠勤も減りました。
「私たちはお客さまのビジネスや働いている人々の中に深く入り込んで、健康を大切にする文化やリーダーシップ・チームを作り上げたいと思っています。お客さまのビジネスや抱えている課題・ニーズを理解し、彼らの痛みをできるだけ取り除きたいのです」とWilliamsは述べました。
Williamsは健康の重要性を自身の経験からも感じています。長年サイクリングを続け5年前にランニングを始めましたが、けがをしないために(ピラティスやヨガと共に)走り方のコーチが必要になりました。さらに12年前に一卵性双生児の娘が生まれてからは運動不足が気になっていました。そこで朝のワークアウト、日記、瞑想のルーティン(彼は「blisscipline(至福の規律)」と呼んでいる)を作り、心身の健康を維持しています。
「プロセスにコミットすると、あらゆる分野で素晴らしい結果が得られることに驚いています」と言い、お客さまのリーダーシップ・チームに自分のルーティンをさりげなく話すと自分でも試してみる人がいると付け加えました。「まず自分自身を大切にすることを学べば、家族や友人を思いやることができ、お客さまや地域社会により良く奉仕できます」
輝き続けよう
Williamsはオリンピックの走り高跳びで同胞が金メダルを取るのを見て、スポーツの教訓はビジネスや私生活のどの分野にも取り入れられることに気が付きました。
1. 適切なスピードがしっくりくる
- パワー全開はうまくいかない
- ためらいは進行を妨げる
- 自分にとって最適なペースを習得する
2. 体幹の強さで安定させる
- コアバリューを理解して日々の指針とする
- 強い体幹があれば踏ん張れる
- 何をどのように行うかは体幹が形作る
3. 柔軟性は助けになる
- 敏しょう性が高まって可能性が広がる
- 適応力を育む
- 柔軟性がないと視野が狭まる
4.失敗は成功の基
- 走り高跳びは3回挑戦できる
- たとえ勝ったとしても、この競技はバーを落として終わることが多い
- 失敗してもいい、やってみなければ分からない
Contact
Corey Williams corey@swainwoodham.co.nz