スタディ・グループはMDRTの設立と同じようにアイディアを共有することで成り立っています。各メンバーがアイディアを持ちより、それ以上のものを全員が持ち帰るのです。参加者が実感できるメリットには生産性の向上、仲間の成功に刺激されて次のレベルに到達すること、新しい専門分野やターゲット市場について学ぶこと、課題や着想を共有する信頼できる相談相手を得ることなどがあります。
スタディ・グループが成功するには参加メンバー全員が共通の期待を持ち、目標を達成するために慎重に計画することが重要です。以下の成功事例は皆さんが新しいグループを作る、既存のグループに参加する、または現在のグループを活性化する助けになるでしょう。
1.勉強会の結成
多くのスタディ・グループは専門分野や地域やキャリア・ステージが似ている、あるいは単に一緒にいて楽しいといった志を同じくする人々を求めています。どのような基準を用いるにせよ、グループの目標達成に貢献する人を選んでください。メンバーの資格として次のような基準を考慮することができます。
- 事業規模
- 所在地
- 年齢
- 経験
- 生産性レベル
- 資格
- 業界との関わり
- コミュニティとの関わり
- 所属会社あるいはブローカー・ディーラー
- 市場あるいは商品の専門性
- 自己募集と管理業務の比率
スタディ・グループの仲間を募集し結成する際には目的を明確にし、メンバー全員がどのように貢献し何を得ることができるのかの共通認識を持たなければなりません。目的は営業アイディアの共有、代理店経営の改善、自己成長の促進あるいはその全てかもしれません。最も重要なのはグループの各メンバーがアイディアや経験を他のメンバーと分かち合いたいと願っていることです。
同じコミュニティや地域、あるいは同じ保険会社やブローカー・ディーラーのアドバイザーで構成することが有利だと考えるグループもあれば、できるだけ多様性を持たせることに価値を見いだすグループもあるでしょう。グループの規模は3人から50人まで幅広く設定することができ、経験年数や学歴やMDRTのような専門家組織への参加など最低限の条件を設けることもできます。これらの要素がどのようにグループ共通の目標を達成し、意図する事柄に役立つかを検討してください。
メンバーの追加または取り消し
メンバーの決定には結成時のメンバーが定めた基準を用いてください。新メンバーは現メンバーによって推薦され、集団的な意思決定プロセスによって受け入れを決定することができます。メンバー候補は最初の勉強会に暫定メンバーとして出席します。このアプローチは現メンバーと暫定メンバーがお互いの適合性を確認する良い機会になります。あるいはメンバー選考の委員会を組織して候補者と面接をして受け入れるか否かをメンバーに提言するという方法もあります。
2.勉強会の形式と内容を決める
スタディ・グループを結成すると勉強会のアジェンダの作成から場所や日程など、決めなければならないことがたくさん出てきます。
頻度
勉強会の頻度は地理的な条件やメンバーの予算によって変わります。地域に根ざしたスタディ・グループは毎月のように顔を合わせるかもしれませんが、遠く離れたグループは年に一度しか集まらないかもしれません。頻度が低いグループは数日間にわたって開催することもあります。
場所
開催地はメンバー全員から等距離であるかメンバー全員が喜んで行くような場所でなければなりません。質の高い勉強会ができる会場であること、ケータリングが充実していることも重要です。座って昼食をとる場合もあれば、ビュッフェ形式で食事をしながら議論を続ける場合もあります。
勉強会をオンライン会議で行ったり、対面の勉強会のつなぎとして利用したりするグループもあります。しかしバーチャル会議では対面の会議ほどの熱量と忠誠心は生まれないというのが一般的な見方です。
アジェンダ
アジェンダを作成することで勉強会の進行がスムーズになり、コントロールしやすくなります。アジェンダには各議題の時間を割り振り、話が脱線しないようにしましょう。少なくとも勉強会の7日から10日前にはアジェンダを送付し、メンバーが準備できるようにしてください。
内容
勉強会ではメンバーをコンテンツ・リーダーとして起用したり、外部の講師を招いたり(直接あるいは音声やビデオで)、それらを組み合わせたりすることができます。勉強会の目的によって異なるため、どれが正しくどれが間違っているということはありません。
メンバーのアイディアを生かしたければブレイン・ストーミング・セッションを行い、各メンバーに5分ずつ時間を与えて自分の考えをシェアしてもらいましょう。あるいは専門分野を持つ会員がグループにとって価値あるトピックについて30分間セッションを行うこともできますし、その両方を組み合わせることもできます。成功談だけでなくミスや失敗談を共有することの価値についても検討してください。メンバー全員が以下のことを話し合う準備をしておくのもシンプルな良い方法です。
- 非常にうまくいっていること
- 助けを必要としていること
- 他のメンバーに役立つと思うリソース(ブログ、商品、サービス、ポッドキャストなど)をシェア
外部講師や録音済みの講演は慎重に選ぶべきです。新しい商品、サービス、プロバイダーについて学びながら会議費用を削減する簡単な方法としてベンダーのプレゼンテーションを利用するグループもあります。しかし全てのグループがこのような内容を望んでいるわけではありません。グループを教育するために影響力のある外部の専門家を招くこともできます。外部講師に依頼する際は核心を突いた話をしてもらうためグループの目的や議題に対するメンバーの経験レベルについて説明しておきましょう。
ゲスト
ゲストはグループが全会一致で同意したときだけ許可するべきです。メンバーが年に1回だけゲストを招くことを認めるスタディ・グループもあれば、メンバー候補である場合のみ認めているグループもあります。ゲストに関するルールは誤解がないようにグループの結成時に合意し、規約に含めるのが理想的です。
交流活動
スタディ・グループのメンバーが遠方から集まる場合、夕食会などの交流活動を計画して楽しむグループもあります。時間を別に設けることでメンバーは正式な勉強会のスケジュールを妨げることなく近況を報告し合うことができます。
3.スタディ・グループを正式なものにする
多くの成功しているグループは活動を統制するための正式な規約を設けています。規約はグループの運営方法やリーダーの決め方、メンバーを追加・除名する方法などグループのあらゆる側面を明確に網羅する必要があります。
規約には以下の項目を含めてください。
- 基本方針
- 守秘義務に関する同意書
- 最小および最大メンバー数
- 年齢、アジェンダを含むグループの構造
- 経費の分担と支払い
- 参加のルール
- 除名のルール
- 期待される出席率
- 勉強会の頻度と開催地
- リーダーの責務
- リーダーシップの交代スケジュール
- 意思決定について
- ゲストの出席ポリシー
- 外部講師のポリシー
- グループ解散のプロセス
4.スタディ・グループが直面する課題
スタディ・グループをできる限り効果的に運営し成功させるため、以下のよくある落とし穴に注意してください。
- 参加基準や組織化についての文書化が不十分
- 新メンバーを招くプロセスや計画がないままメンバーが高齢化していく
- 業界の規制変更を研究しそれに対処する手段を持っていない
- メンバーの所在地や会合場所を考慮する際、費用を過小評価する
- メンバー間のオープンで正直なコミュニケーションが不足している
- グループ内の問題について話し合い解決することができない
- 強く有能なリーダーの交代プロセスがない
- 勉強会の準備をして出席する意欲が足りない
活発なスタディ・グループはメンバー全員の成長を強化し、深い友情を育むアットホームな支援システムに発展する可能性があります。グループ内で生じる化学反応は、この繋がりの豊かさを決定するでしょう。