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歯科医をターゲットに
歯科医をターゲットに

5月 01 2024 / Round the Table Magazine

歯科医をターゲットに

Georgeは戦略を立てニーズを理解することでミレニアル世代の歯科医とつながっています。

対象のトピックス

PHOTO: Erich Saide

Chris George, CFP, TEPは年に一度だけ朝4時起床の習慣を無視して寝坊します。夜ふかしをして何をしていたのでしょうか。歯科医たちと遅くまでパーティーを楽しんでいたのです。

まさか、と思った方もいるかもしれません。でもただの「パーティー」ではありません。

カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーの11年間MDRT会員であるGeorgeは、毎年歯科学生のためにWhistler Blackcombスキー場へのスキー旅行を主催し、そこで参加者たちと交流を深めています。普段Georgeは飲酒をしないのでかなり年の離れた若い学生たちが夜遊びする時間にはもう就寝しています。でも彼らと顔を合わせる時間は信頼関係を築き将来につなげていくためにとても重要です。

イベントに参加していたある女性は「卒業後はあなたを頼りにしたいと思います。現在のアドバイザーは会ったこともないのに、商品を売りたいときだけ電話してきます」と言ってくれました。彼らと長く時間を過ごすほど、一緒に仕事をしたいと感じてもらえます。

Georgeが歯科医に特化するようになったのは10年前からです。初めてMDRTの会員資格を得て参加したMDRTアニュアル・ミーティングのトロント大会で、もっとクライアント基盤構築にフォーカスするべきだと認識しました。多くのアドバイザーと同様、高収入の医師をターゲットにすることも考えましたが彼は歯科医をターゲットに選びました。その理由の一つは、歯科医の方が競争が少ないからです。もう一つの理由はカナダでは公的なサービス部門と考えられている医師よりも歯科医との共通点が多かったことです。歯科医は自費で機器を購入し、家賃や広告費、給与を支払い、パートナーや仲間が必要です。これらは全てアドバイザーと共通しています。全教育課程を修了するのに時間がかかる医師よりも、歯科医は数年早く6桁の給与を稼ぐようになります。クライアントである歯科医もGeorgeにとても感謝しており、大学生向けのプレゼンテーションの準備を手伝ってくれる人もいます。

Georgeとビジネスパートナー(高校時代から35年来の友人)、そして2人の事務スタッフは、400世帯の総合的ファイナンシャル・プランニングを担当しています。そのうち325世帯は歯科医でほぼ全員がミレニアル世代です。若い顧客ベースは拡大しつつあり、毎年40~60人の新人歯科医とのビジネスを得ていてZ世代の開拓も視野に入れています。

食べ物と会話のテクニック

歯科医をターゲットとして開拓するのは容易ではありませんでした。最初の年の新規顧客はゼロでした。2年目は2人、3年目は8人、4年目は20人で、その後努力を続けて顧客の数を増やしていきました。

私の性格もあるのでしょうが、自分の存在に感謝してくれる人たちと仕事をするのは楽しいです。
—Chris George

Georgeがブリティッシュ・コロンビア大学で初めてプレゼンテーションをしたのは、2015年の学年末でした。プレゼンテーションのあと食事を出しましたが、学生たちはお礼を言うだけで食べずに帰ってしまいました。そこでプレゼンテーションの時間を短くし、1年に24回キャンパスを訪問することにしました。Georgeは冒頭でプレゼンテーションは30分以内と約束し、ピザやサンドイッチの代わりに、学生たちがパブで注文するような食事を出すことにしました。そこで彼は商品についてではなく、学生たちとのアポイントメント獲得を目指します。80人しか収容できない会場で全員からアポイントメントをもらえるように数夜に分けてプレゼンテーションをし、話す内容も1、2年生と3、4年生で変えました。各プレゼンテーションを最低15回はリハーサルし、プロフェッショナルな内容を追求し時間内に収まるよう徹底しました。

「あらかじめ23分間で話を終えると生徒に予言しました。そして実際に23分ジャストで終わったものですから、生徒たちはびっくりしていました」と語ります。

試験前の息抜き

Georgeは試験期間中に「差し入れ」もしています。たくさんの食べ物だけでなく、景品を出したり、リラックスできる空間を作り、テレビでコメディーの「ミスター・ビーン」を流したりします。テストでストレスを感じている学生に対してビジネスの話は持ち出さず、サポートと息抜きの場の提供に心を尽くします。食事の時間を削って勉強したい学生のためにテイクアウト用の容器も用意しています。

顔を合わせる時間

スキー旅行や勉強会を主催したり、サッカーの試合といった社交イベントに参加してコーヒーや軽食を提供しています。ビジネスを推し進めるのではなく、学生への配慮や関心を示すことを大切にしています。Georgeは学生とのつながりや彼らを理解することを重視しているため、学費ローン(通常35~40万ドル)の管理、契約のオファー、税金対策、投資戦略、価格協定など、若い歯科医が抱える多くの悩みを知ることができました。結束の固い歯科医のコミュニティでは、最高のサービスを提供することが紹介につながり、高い評判を維持することになります。

ターゲットを絞ったマーケティング

Georgeはイベントへの協賛費や参加費をマーケティング予算から出しています。バスやベンチに広告を載せるよりも確実に新規顧客を見込める場所に資金を使います。Georgeとパートナーが営業時間外にイベントに参加するときは、ワーク・ライフ・バランスを確保するため、通常の営業時間帯に休みを取るようにしています。

アラビア語やパンジャブ語などを母語とするお客さまも多いため、将来的にはこれらの言語を話せる女性アドバイザーを採用し、スタッフにも多様化を意識してもらおうと考えています。また、学生や新卒の歯科医と年齢が近いアドバイザーを採用することで、学生と信頼関係を築き新規顧客の開拓に専念してもらえば彼とパートナーは年配の歯科医のサポートに集中でき、既存のクライアントも大切にすることができます。Georgeに引退の予定はありませんが、もう一人アドバイザーを採用することでビジネスの後継者計画ができ、若いお客さまにも安心していただけます。それまでは必要とあらばどんなイベントにも参加する心づもりでいます。

「社交イベントは大変疲れることもありますが、新規顧客を獲得するために時間とお金をかける絶対的な価値があります。夜11時にクラブに行くなんて、年寄りにはむちゃなことかもしれません。でも、とても楽しいですし、そうするだけの価値があります」と語りました。

Contact

Chris George chris@brsp.ca