
靴屋の子どもには靴がない。
このスペインのことわざは特定の技能を持つ者は人を助けることに忙しくて自分のことにまで手が回らないことを言い表しています。このようなアドバイザーは皆さんの周りにいませんか。
あまりにも多くのアドバイザーがプライベートあるいはビジネス上の財務や保険に関し、典型的な「何でも自分で計画しようとする」DIYな人たちです。アドバイスを求めるのが嫌いだったり、他のアドバイザーに相談するための費用を払いたくなかったりするのでしょう。問題はアドバイザーが自分のお金の扱い方に関して偏っている可能性があり、必ずしも高度なレベルに到達していないことです。第三者の方が上手にできるかもしれないと認めることにはさまざまな利益があり、アドバイザーは感情的な偏りから解放され、公平な視点を持つことができます。
Scott Alfred Grant, CLU, QAFPは別のアドバイザーのために一肌脱ぎ、彼がもっとお金を稼いだり、貯めたりできないかチェックするために財務を調べることを申し出ました。全てが適切に処理されているなら、背中をたたいて君は天才だと言うこともできたでしょう。その友だちのアドバイザーの投資は問題ありませんでしたが、就労不能所得補償保険には問題がありました。加入していたのは労働者のための商品で金融アドバイザーのような専門職には向いていませんでした。Grantは少ない保険料でより多くの補償を得られる新しいタイプの商品を勧めました。
「なぜ別のアドバイザーに自分の財務を見てもらうべきなのかを示す良い例です。彼は財務をうまく管理していましたが、その小さな修正で給付金請求をするときに前の契約より喜んでもらえるでしょう」とカナダのバンクーバーでMDRT会員歴24年のGrantは言います。
Grantも以前は別の人に自分の財務をチェックしてもらっていましたが、クライアントだったLouiseと結婚してからは個人的な財務アドバイスを求めていませんでした。
「以前の私はかなり優秀なアドバイザーだったのですが、結婚はアドバイザーとクライアントの関係を崩してしまったようです」とGrantは述べます。
当初は他のアドバイザーを入れたくありませんでした。自分の判断や洞察に疑問を投げかけられたらどうしようという不安がありました。しかしLouiseは夫が立てたプランについて「800の質問」を投げ掛けました。
「もしかしたら他のアドバイザーを入れた方が良いかもしれないと思いました。私が考えつかなかったことがあれば良い助言に従うことは明らかに利益になるはずです。いつもお客さまにそう言っていたのは自分自身です。妻は私のアドバイスは少し偏っていると感じていて、それは本当でした」と打ち明けます。
彼は会社の同僚で以前MDRT会員だったIan R. Whitingに自分たちのプランに目を通してくれるよう依頼し、Whitingは見直すべき小さな点をいくつか指摘したものの基本的にはGrantがLouiseに言ったことを推奨しました。
「最初のミーティングを終えて自分はなんて良いことをしたのだと感動しました。それから彼とは何度もミーティングをしています」とGrantは述べました。
5年前にも同様のことがありました。Louiseは雇用主から早期退職割増金の話を持ち掛けられましたが、受け取って退職するべきか迷っていました。数字に強いGrantは受けて退職するべきだと意見を述べました。
「彼女は数字が強くないので納得してくれませんでした。そこでWhitingと再度ミーティングをする必要があると思いました。彼は非常に複雑で高度な考えを簡単に思えるように解明する術を持っています。彼はさまざまな条件を考慮しお金を受け取ることは理にかなっていることを調べ上げ、私とは違った方法で説明してくれました」とGrantは語りました。
寄り添う
感情は経済的な判断に論理や理性以上に影響を及ぼします。James Anthony Savage, EPCは自分のお金のことになると、決断が偏ってしまうことを自覚していました。彼がアドバイザーを雇った理由のひとつは自分の財務を別の目で見てもらいたかったからです。
「医師には担当の医師が、歯医者には担当の歯医者が、美容師には担当の美容師がいるものです。私たちも専門家として同じようにするべきです」とカナダのアルバータ州カルガリーで活動する14年目のMDRT会員である彼は言います。
理由の二つ目は万が一自分が先立った場合に妻のLinetteが連絡できる人を確保するためです。
「もし私が全部やっていたら私が死んだ後に妻が頼れる人、妻に協力し手続きを手伝ってくれる人は誰もいません。呼べばすぐに来て全てのことを処理してくれる人を確保するべきではないかと思ったのです」とSavageは述べます。
自分の個人的な情報を同業者と共有したくないアドバイザーもいるのでSavageは自分が信頼できる人を探すべきだと思い、知識や能力に関しては何の心配もないトップ・オブ・ザ・テーブルのメンバーを5人リストアップしました。夫と一緒に社交的な集まりや会合に出席していたおかげでLinetteは候補者たちのことをよく知っており、正式に面接する必要はありませんでした。彼女はこれまでの気楽な付き合いから、上から目線で話すことなく金融の概念を理解できるよう助けてくれそうな人を見極めました。Savageはぶっきらぼうで頭をガツンと殴るような助言をくれるアドバイザーやメンターが好きですが、Linetteは物腰が柔らかで自分に決めさせてくれるタイプの人を必要としていました。
「私がいなくなったとき彼女と一緒に考えてくれる人を求めているのですから彼女が決めるべきです」と語りました。
信じるが検証する
Micheline Varas, RHUがこの仕事に就いて10年目のとき、資産報告書にあるお客さまの投資利回りを眺めていると、3人のクライアントの利回りが平均以下であることに気付きました。そのうちのひとつは大口顧客で残りの2つはその方の子どもたちでした。
「私はじっくり考えました。自分の専門分野ではないが非常に大切な人たちの運用がうまくいっていない。どうすればいいのだろう。私は専門知識と優れた投資戦略を持ち、こうしたお客さまを担当するのに私よりはるかに適している人に依頼するべきだと気付きました」とバンクーバーの23年間MDRT会員で保険加入が難しいケースを他のアドバイザーと協力して解決する共同作業が専門のVarasは述べました。
この経験から彼女は長年のメンターで同じくバンクーバーで42年間MDRT会員のKarl John Krokosinski, EPCに自分の投資を、同じくバンクーバーで16年間MDRT会員のRobert J. Hackに生命、就労不能所得補償、重大疾病、事業経費などとその他の保険や投資ニーズを対応してほしいと依頼しました。TOT会員のKrokosinskiとCOT会員のHackは彼女が心から信頼しているアドバイザーです。この取り決めのメリットのひとつは共生的な説明責任が存在することで、彼女は彼らの提案に従っているか説明責任を持ち、一方で彼らもパフォーマンスや自己投資で必要になるコンプライアンスに対してクライアントである彼女に説明責任を持ちます。
「個人的な財務と保険のポートフォリオを管理してもらうことで、多くのストレスから解放されます。それに時間や注意を取られることがなくなりました。自分のビジネスやお客さま対応で忙しいので、個人の財務管理を外注することで自分の仕事に集中できます」とVarasは述べました。
また、アドバイザーに依頼する経験をすることでお客さまの感じることを理解できるようになりました。
「どうすればもっと良い質問ができるか学び、お客さまの状況を理解できるようになりました。私は非常に論理的に考え事実を正確に把握するのが好きですが、もっとソフトに質問できるようにもなりました。相手の感情や何を大切にしているのかを理解することが重要です」とSavageは述べました。
Savageは個人的なことでもビジネス上のことでもアドバイザーに相談していることをクライアントに話し、それが紹介に繋がっています。
「なぜ紹介してくれるのか聞いたら『あなたも他の人に相談しているからです。あなたなら私たちの置かれている状況を理解してくれます』と言われました」と説明します。
Grant夫妻が社交の場でファイナンシャル・プランニングの話題になると、相手は夫であるScott本人が財務や保険を全て管理しているだろうと推測します。そういうときLouiseはScottが素晴らしい仕事をしていること、しかし他の人の助けを借りて自分たちが何をすべきか確認し適切なアドバイスを受けていることを説明します。
「これが何件の紹介に繋がったか数えられないくらいです。紹介者は私の謙虚さに気付いたのでしょう。私は相手の利益を一番に考えるので何かを強制することはありません。自己中心的すぎないか心配する必要もありません」と述べました。
どうやって選ぶか?
Savageは保険に関することをVarasに、ビジネスに関することをKrokosinskiに相談しています。Grantはビジネス関係はKrokosinskiを頼り、VarasとKrokosinskiは互いを企業顧客を見守る第二の目として頼り合っています。基本的には既に構築された人間関係に基づいてそれぞれのアドバイザーに落ち着きました。この方法を取り入れたいと言う人に対してVarasは、MDRT会員なら間違いなくCOTかTOTの資格を持つ人から探すことでさらに良い選択ができると述べました。
「投資や保険商品の相談だけなら国内から選ぶのが適切で、どのくらいの頻度で連絡するかは自分次第です」とVarasは言います。MDRT会員と交流を持ち、どのようにその生産レベルに達したのか、専門分野は何か、どのようなプロセスを踏むか、商品をどのように選んでいるか、チームはあるか、資格があるか尋ねてください。
「私だったら継続的な学習に関心を持ち、市場に出るさまざまな商品や戦略やコンセプトに目を向ける人に頼みたいです。そのような人は私をクライアントと見なして教育してくれそうです。また士気や倫理観、価値観も私と同じか知る必要があります」と語りました。
現在委託しているKrokosinskiはあと10~15年もすれば引退すると思われるので、Savageは家族を守るために妻が一緒に仕事をしやすい後任を選び直さなければならないでしょう。しかし現時点では何かあったときはKrokosinskiが事業を一時的に引き継ぎ、スタッフの面倒を見てクライアントに助言できる適切な後継者を見つけてくれると確信しています。
「アドバイザーがいて説明責任があれば嫌でも物事をやり遂げるでしょう。骨が折れる仕事を自分一人でやっていたら家に帰ってまで働きたくないと思うかもしれません。でも任せられるプロがいれば心配事がひとつ減ります」と語りました。
Contact
Scott Grant scottg@ridgewealth.com
James Savage jasavage1@live.com
Micheline Varas michelinev@customplanfinancial.com