新聞配達の苦学生
福岡県で5人兄弟の長男として生まれた工藤会員は、両親の離婚を機に厳しい生活環境に陥ってしまいました。中学生になると新聞配達をして家族の生計を助けなければならない「極貧生活」を経験しました。中学時代クラスメートが部活動や放課後の課外活動に取り組む傍らで、新聞配達をする毎日。「当時はかなり暗い性格だったと思います。ただ、好奇心が旺盛な性格がポジティブに働きました。高校時代は毎朝早起きして仕事をすることで、お金は生きる上で、とても大切なものと子供ながらに心に刺さりました。『Just do it』という考え方が自然に身につきました」。これからは「情報化社会」がやってくるという中学時代の先生の言葉が印象に残り、情報処理科のある高校へ進学しました。人一倍ある行動力が自然に校内の注目を集めるようになり、1000人を超える生徒のなかで生徒会長に指名されるようになりました。ただ、工藤会員は「だからといって当時はまだ、明るい性格になれた訳ではありません」と振り返っています。
17社もの正社員を経験
高校を卒業後、情報処理の技術を生かして地元福岡の会社に就職したものの、その会社の業績はあまり優れたものでなく、すぐに会社を離れなければなりませんでした。持ち前の行動力で欧米のようなジョブホッパーとして仕事を変える事でその後、実に17社もの会社の正社員として転々としながら働き続けることになりました。数多くの職業経験の中で9年に渡って在籍した大手通信会社では、顧客満足度で全国1位として表彰されたこともあります。「セールススーパーバイザーとして働いた時期、お客さまへの応対力が総合的に良かったと表彰されました。普通のスタッフであれば、お客さま対応が終わったらそれで終了ですが、私はとかくお節介を焼くタイプでした。お客さまが他に困っていることが無いかを聞き、普通はやらないような細かいサポートをし、またそのマインドをチームスタッフへ見せました。日々のホスピタリティの積み重ねがいつしか日本一の評価への結果となったようです」。人一倍強い行動力は、多くの職業経験でさらに磨かれていきました。
父親のガン罹患経験を経て「ファイナンシャル・アドバイザー」へ
通信会社で順調に勤務していた矢先に、離婚した実父を病魔が襲いました。この病魔は、以前の輸血によるC型肝炎ウイルスが原因でした。5人兄弟の長男として工藤会員は地元福岡に戻り、父のサポートをしながら保険の窓口営業をはじめました。猛勉強とともに役所で実際に申請手続きを行うなど、国の社会保障制度や生命保険会社から有難いことに多額の治療費の給付を受けることが出来ました。最後は、自宅で介護・看取りを終えることが出来ました。こうした経験によって金融・社会保障の知識に対する学びへの使命感が芽生えました。もっと金融・社会保障の知識を高めよう。新しい方向性を見つけた工藤会員は持ち前の行動力でファイナンシャル・アドバイザーとしての知識を蓄えていきました。フルコミッションのファイナンシャル・アドバイザーとして新しい代理店に籍を移し、本格的な保険営業を始めるとすぐにMDRTに登録されるようになりました。「ファイナンシャル・アドバイザーという職業は、最初コンプレックスだった転職回数が今は圧倒的な強みとして私の仕事経験がとても生かされました。泥水をすすってきた極貧生活経験やお節介を焼きすぎるようなお客さま対応、躊躇なく動く行動力はファイナンシャル・アドバイザーという仕事に最適です。ようやく『天職』を見つけました」。
出し惜しみせずすべての知識と情報を提供
「天職」に邁進する工藤会員のもとには多くの相談がきます。昨年妻を亡くしたという80歳の男性は年間で約20万も保険料を支払っていました。後期高齢者の方は高額医療制度がありますので万が一の医療費は月約2万5千円程度です。80歳の男性としてはどう考えても払い過ぎです。干してあった布団のかたづけなどを手伝いながら、初めてお会いしたこのご老人とお金の話を4時間以上することになりました。「私はどんな相手にも知識を出し惜しみしません。お節介と言われるかもしれませんが、その人にとって良いと思うことはどんどん話すようにしています。保険を売るのではなく、とことんお節介をするのが私のやり方です」。オンラインでもこの姿勢は変わりません。東京在住でオンライン面談するお客さまとは、もうすでに15回以上面談しています。すでに大きな保険商品を扱っていますが、次から次へと相談がきて面談回数が増えていきます。お節介が信頼を生み、信頼が新たな相談へと繋がっていきます。この出し惜しみない自然体の営業スタイルで、工藤会員は現在コート・オブ・ザ・テーブル(COT)として日々天職に没頭しています。極貧生活で「暗い」少年だった工藤会員からは現在はまったく暗さを感じません。「両親・妻はもちろんの事、いろいろな会社でお世話になった先輩、上司、今の代理店の社長や先輩、これまでご縁があった方々との出会いが自分を変えてくれたのだと思います。口角を上げることは脳にも良い影響を与えるようです。最近は明るい性格だとよく言われるようになりました。自分を変えてくれた人たちに感謝しながら、ホスピタリティを大切に、大好きなファイナンシャル・アドバイザーを続けていきます」と、工藤会員は満面の明るさで話してくれました。
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