
Sukanta Singha Roy, CFC, FSSは2022年1月に脳卒中を発症し、一時的にはっきり話せなくなりました。面談ができなかったためにお客さまとのコミュニケーションはもっぱら携帯メールで行いました。
インドのコルカタで活躍する11年間MDRT会員のSingha Royはそれまでに数多くのセミナーや会議に出席しており、保険ビジネスにおいて見込客探しが非常に重要であることを多くの講演から学んでいました。見込客探しはこの仕事を一つにつなげる接着剤のような役割を果たし、潜在顧客の供給経路がなければ「ビジネスは無に等しい」ことを理解していました。
見込客の投稿を通してやり取りを始めるようにしてください。投稿される写真や共有される物語に好意的なコメントをしましょう。
—Sukanta Singha Roy
ビジネスを売り込まない
Singha Royは自身のサービスを潜在顧客へのダイレクト・メッセージで売り込むようなことはしません。そうではなく彼らの投稿に反応することでコンタクトをとることにしました。
「混乱状態にあっても仕事を続ける方法を考えなければなりませんでした。外出できないので別の手段を見つけ出すしかなかったのです」とSingha Royは言います。
寝たきりだった5カ月間はビジネスができなかったと思いきや、彼は病床でソーシャル・メディアによる見込客開拓戦略を思いつき、その結果これまでのキャリアで最多の生命保険をお預かりしました。一部のMDRT会員のようにソーシャル・メディアを利用して聞き手がいそうなところをターゲットに、特定分野の専門家という立ち位置でブランド価値を高めました。
「充実した人生を送っている人はダイレクト・メッセージを無視する傾向があります。ただサービスを売り込もうとしていると見抜かれるとなおさら反応してくださらないので、見込客の投稿やフィード、ウォールを通してやり取りを始めるようにしてください。投稿された写真や共有された物語に好意的なコメントをしましょう。彼らが行ったことがある場所やどんなカメラ機材を使用しているのか問い掛けるのもいいでしょう。このようなやり取りを会話の糸口にして、有意義な話題に触れ、定期的に意見を交わしましょう。そうすることで見込客と信頼の絆を築き、次いで自分が提供しているサービスについてさりげなく伝えられます」とSingha Royは述べます。
何度かやり取りすると見込客はフィードに表示される皆さんの名前に気付き、皆さんのプロフィールを見るかもしれません。そのため顔写真を載せ、自分がどのような人間でどの分野の専門家なのかを記載してデジタル環境における存在感をアピールすることを勧めます。
「プロフィールを見れば皆さんが成功していることを確信するでしょう。成功者は成功者と交流したがるのが一般的な心理です。フィードで政治やスポーツなどデリケートな話題を投稿することは避けてください。見込客に悪い印象を与えて壁ができてしまうかもしれません」とSingha Royは述べました。
何を投稿するのか
Sonny Ongco Boquecosaは商品について投稿することはせず、どちらかと言えば自分の専門分野に注目させるコンテンツを共有して見込客の好奇心をくすぐります。フィリピンのマカティ市の4年間MDRT会員のBoquecosaは自分はコミッションのために働いているのか、それともお客さまに心の平和と快適さを与えるという使命にコミットしているのか自問しながら自分自身のブランド化に取り組んでいます。
デジタル・プレゼンスを高める最良の方法のひとつはストーリーを語ることです。そこでお客さまが目的を達成するのをどのように助けたのか投稿してきました。お客さまからの口コミもライバルとの差別化に役立っています。
「私から投資プランを買えば旅行やビジネスの拡大や快適な生活が手に入り、お客さまは苦労して稼いだお金の恩恵を享受できます。そのことを分かってもらうため、うれしい報告や感謝の声をSNSに投稿することにしています」とBoquecosaは言います。
もうひとつSNSで発信するときに意識しているのは自分はお客さまに信頼される人間だろうかという点です。
「私は出席した全てのトレーニングについて投稿し、学んだことを共有し、専門家との繋がりをアピールするため講師との写真を載せます。これにより仕事に情熱を注いでいることを示せます。さらに知識が豊富であるか自問します。見込客の信頼を得るには講座に出席したり資格を取ったりして知識を身に付けて競争力を高めなければなりません」とBoquecosaは述べました。
Candice Ong はソーシャル・メディアの世界に足を踏み入れた頃、1年足らずでビジネスの半分近くがそこから生み出されることになるとは想像していませんでした。
「まだ面談もしていないのに私のことを知っていて信頼してくださり、一緒に仕事をしたいと思っているお客さまが毎日来るのを想像してみてください」とシンガポールの6年間MDRT会員のOngは言います。
彼女はアドバイザーがSNSに取り組む際に次の2つのことを自問するよう勧めます。
- SNSで自分自身をどのように表現すればこれまで積み上げてきたものを開花させることができるだろうか?
- オンラインで自分にふさわしいコミュニティを見つけ、どうすればその方々をオフラインで見込客に変えられるだろうか?
どのようなコンテンツを作るか悩んでいるなら、人は人間同士の繋がりを強く求めていることを思い出してください。
「次の質問について時間をかけて深く考え、正直に答えられれば、世界と分かち合う大量のコンテンツが手に入るでしょう。皆さんと全く同じ答えを持っている人はいないので自分らしく発信してください」とOngは述べます。
- どのようにお客さまを助けるか?(どのような問題を解決できるか?)
- ビジネスをする際どのような価値観を大切にしているか?
- どのような成功談があるか?
- お客さまは自分のことをどのように思っているか?(お客さまの声を共有する)
- お客さまが自分と旅することを選んだらどのような成果を予想できるか?(ロードマップを示す)
- 今の仕事は楽しいか、それはなぜか?
- 先週の最も興味深い出会いは?
- この仕事に関する神話にはどのようなものがあるか?
- 財務以外でお客さまにどのような付加価値を与えているか?
- お客さまとの理想的な仕事関係とはどのようなものか?
- どのようなサービスを提供しているか?
- ライバルより優れている点は?
- 仕事以外でどんなことをしているか?(個人レベルで自分を知ってもらう)
コンテンツにはキャプション付きの写真や記事、自作の動画やインフォグラフィック、示唆に富むアンケートなどの短い投稿を織り交ぜてアクセス数を増やしましょう。
「異なるメディアを組み合わせることをお勧めしています。バラエティーに富むことは人生のスパイスです。とは言え、一番やりやすいものから始めてください。オーディエンスはありのままの自分を表現する姿を見たがっています。見た目の美しさより何を話すかの方が重要です。始めるときが最も大変です。最初のコンテンツを出せば、時間が経つにつれ確実に勢いがついてきます。プレゼンスの構築は一朝一夕ではいかないかもしれませんが、一貫して取り組めばビジネスを構築し規模を拡大する上で非常に長続きするツールになるでしょう」とOngは語りました。
お客さまはどこにいるのか?
アドバイザーはターゲット層がよく利用する場所(サイト)を利用する必要があります。Taiki Eguchi(江口大記)は見込客からアポイントメントを取るには電話をすることが王道であると先輩や上司から教わりましたが、直感的に違うやり方があるはずだと思いました。
「私の世代はSNSで連絡を取る方が自然だと考え、積極的に活用しました。お客さまはほとんどが20代か30代で、SNS中心のコミュニケーションに全く違和感はありません」と福岡県でMDRT会員になって3年の江口は言います。
お客さまのことを第一に考えて自信を持ってお勧めできる商品だけをお勧めするというファイナンシャル・アドバイザーとしての基本的な姿勢こそが最も重要です。
—Taiki Eguchi
彼は訪れた場所の写真など日常生活をInstagramに投稿し、同じ場所に行ったことがある見込客と気軽にオンラインで会話を楽しみます。そのような人と初めて面談するときはオンラインで育んだ友情のおかげで初めて会った気がしないと言われます。その一方で江口は情報源になるよう努めています。円安や税制改革、新NISAが導入されたときなどは情報をコンスタントに発信し、その結果お客さまから保険だけでなく幅広いお金に関する相談も受けるようになりました。
「SNSを使うことで1%でも自分の営業活動にプラスになるのであれば当然使うべきだと思いますし実際に使っています。しかし本当に大切なのはツールではありません。お客さまのことを第一に考えて自信を持ってお勧めできる商品だけをお勧めするというファイナンシャル・アドバイザーとしての基本的な姿勢こそが最も重要です」と語りました。
ターゲットは誰か?
サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドのSNSは総フォロワー数が史上初めて10億人を突破しました。膨大な数のフォロワーを獲得したことはサッカースターの国際的な人気を反映し、彼のブランド力と収益性を向上させるでしょう。しかしアドバイザーは広範なリーチや知名度をSNS戦略の優先事項にするべきではありません。それはセールスマンがやることです。メリーランド州Silver Springの15年間MDRT会員のBrian Joseph Haney, CFS, CLTCは「アドバイザーは理想的なお客さまと繋がることにフォーカスするべきです。量より質が本当に重要です」と言います。
「LinkedInの繋がりを何千件も持つことがゴールではありません。そのうちの6割が本当はお客さまにしたくない人たちなら、皆さんのブランド価値を高める役に立っているとは言えません。私はフォローリクエストを承認するよりも拒否することの方がはるかに多いです。誰と人間関係を結びたいのか、誰にお願いするのかじっくり考えます」と述べます。
アドバイザーは理想的なターゲット層の統計データを作ることからSNS戦略を始めるべきです。いくらの収入があるのか、どんなニッチ分野で働いているのか、どこに住んでいるのか。また彼らがネットで何を見ているのか調査してください。見込客はポッドキャストを聞いたりブログを読んだりするのか、誰をフォローしているのか本人に聞くこともできます。
「自分にふさわしいお客さまがどこにいるのか分からないなら、いつまで経っても会えないでしょう。Facebookの利用者ですか。LinkedInの利用者ですか。それとも他のサイトですか。理想のお客さまがほとんどFacebookを利用していないことが分かったらFacebookでのマーケティングに時間をかける必要があるでしょうか? 最終目標が会いたい人に会うことなら、彼らが集まる場所だけに注力すればいいのです」と語りました。
重要なのはターゲット層について、また彼らの抱える問題をどう解決するかを考えることです。そうすればコンテンツはおのずと充実してくるでしょう。
—Carla Brown
英国イングランドCuddingtonの7年間MDRT会員のCarla Brown, FPFS, CFPのターゲットは中小企業の経営者なので、経営者が自身の悩みや経験を語る動画をSNS戦略に含めることにしています。
「人は他の人たちの意見を聞きたがるので、素晴らしいケース・スタディーやお客さまの言葉を集めました。信頼を得るためです。私たちが素晴らしい仕事をしたことを証言するお客さまがいたら、ターゲット層はそれを見て『私と同じだ。その方を助けられたなら私のこともきっと助けてくれる』と考えます」と言います。
彼女もHaneyのようにコンテンツを考える前にまず理想的なお客さまを特定することを勧めます。
「外見、年齢、居住地、仕事、収入などが挙げられますが、その他にもどのような悩みや課題を持っている可能性があるか検討してください。人々は解決策を見つけるためにネット検索を利用するからです。重要なのはターゲット層について、また彼らの抱える問題をどう解決するかを考えることです。そうすればコンテンツはおのずと充実してくるでしょう」と述べます。
彼女の投稿はお客さまを支援するさまざまな方法を示しているのでSNSはクロスセルのツールになってきました。経営者はビジネスに忙殺されているため、彼女のコンテンツは家族を守り、住宅ローンについて考えるべきであることを思い起こさせます。このようなメッセージはターゲット層がビジネス以外の付随分野で彼女のサービスに助けてもらうことを考えるきっかけとなります。
「ソーシャル・メディアによって自分の活動を全て紹介し、同じような状況にある人々をどのように助けたかを話せます」とBrownは語りました。
こまやかなサービス
万人に受けるメッセージを作ろうとするのは無駄な努力に終わることが多いものです。しかし先を見越してカスタマイズしたコンテンツを送ることは効果的でもっと簡単です。ベトナムのハノイ市で活躍する2年間MDRT会員のThu Trang Ha PhamはFacebookで繋がっている人たちを小さな子どもがいる人、出産を控えている人、フリーランス、引退した人などさまざまなグループに分類しました。連絡先をグループ分けすることでそれぞれのニーズや関心事が予想しやすくなり、個人向けにパーソナライズしたメッセージや適切なトピックを添えて送れます。例えばPhamのオフィスが医療と健康の専門家を招いて夏に子どもがかかりやすい病気について共有した際、その情報をFacebookに投稿し、小さな子どもがいるグループの個人宛てにメッセンジャーで送信しました。ある方には「今日お子さんの夏の病気と注意点について学びました。お役に立つのではないかと思い、この情報をお送りします」というメッセージを添えました。
それに対し一部の人々はさらに質問を投げかけ、Phamにとってはその話題を提供可能な保険給付と結び付けて語る機会となりました。Phamはまたファッションやお気に入りのコーヒーショップなど個人的に興味があることを投稿し、共有すればするほど出会いの場が増えることを知りました。連絡先の一人が特製の抹茶わんの写真を投稿したときには、Phamは「こんにちは、その抹茶わんは本当にすてきですね。どこで買ったか教えていただけませんか?」とコメントしました。その方はPhamのFacebookの投稿をよく読んでいて彼女の服装のセンスが好きだと返信し、お互いに抹茶ファンなのでお茶でもどうかと誘ってくれました。ふたりは会うことにして、家族のことや人生についての話題で盛り上がりました。Phamはこの新しい友人が独身で収入もそれなりにあり、自閉症の弟の面倒を見ていて、頼れる人が誰もいないことを知りました。Phamはもし彼女が病気になったら弟の世話をどうするのか尋ねました。思いやりを持って何度か話し合った結果、その女性は保険契約にサインしました。
Facebookで繋がっている人からPhamが投稿した高齢者保険についてさらに質問を投げられたこともあります。その方の両親はベトナムに住んでいますが本人はアメリカに住んでおり、PhamのFacebookをフォローしていました。PhamがMDRT会員であることにも信頼を寄せ、プロ意識を持っていると感じてくれていました。何度か電話でやり取りした後、その新しいお客さまは両親のために2つの保険契約に加入しました。
「同じような事例はたくさんあります。Facebookで友人を作り、チャットでやり取りし、個人的な体験談から情報を得ていたおかげです」と語りました。
注意事項
ソーシャル・メディアは正しく使えば交流や繋がりを生み出し、お客さまとの持続的な人間関係へと発展する可能性を秘めています。とは言えこれらのプラットフォームにはやってはいけないこともあります。攻撃的になったり政治的になったりすべきでないことは言うまでもありませんし、スパム(無差別メール)を送るべきではありません。自分のウォールや見込客にニュースを共有するときは信頼できる情報であることを確認しましょう。
「自分が投稿するプラットフォームについて考えてください。TikTokやInstagramは映像や画像が多いですが、LinkedInは文字が多く、ケース・スタディーを共有しやすくなっています。ブログや長文投稿で自分が行ってきたことを詳しく説明したければ、ロボットが書いたように見えないか注意しましょう。人工知能にコンテンツを書いてもらうのは問題ありませんが、必ず目を通し自分らしく調整して、本人が書いた本物であることが分かるようにしてください」とBrownは述べます。
Haneyはビジネスで誰かに接触する前にバーチャルで知り合っておくことを勧めます。定型文や自動生成メッセージを避け、自分の言葉で相手のコメントに返信することで真摯に耳を傾けていることを示すことにしています。最後に、どこにコンテンツを投稿するにしても自分のウェブサイトのリンクを必ず入れ、自分を見つけやすくしましょう。
Contact
Sonny Boquecosa pluksonnyboquecosa@gmail.com
Carla Brown carla.brown@sjpp.co.uk
Taiki Eguchi t.eguchi@exe-co.jp
Brian Haney bhaney@thehaneycompany.com
Candice Ong candiceongg@gmail.com
Thu Trang Ha Pham phamthutrangha@gmail.com
Sukanta Singha Roy sukantasingharoy@hotmail.com