クライアントへの話し方を少し変えるだけで、仲間意識を持っていただけます。

この仕事を始めたばかりの頃、私は「ご両親はおいくつですか」と初対面のクライアントに尋ねてしまいました。先方は気分を害し「2人とも亡くなった！」と大声で答えました。明らかに私の尋ね方が悪かったのです。それ以来「ご両親はご健在ですか」と尋ねるようにしています。

気遣いを示しましょう。尋ね方に気を遣うようになってから、人の悩みが分かるようになり、思いやりを持って接することができるようになりました。「お子さんはいらっしゃいますか」というありきたりの質問であっても、授かれないでいる方、流産した方にとっては不快な質問です。また子どもを持たない選択をし、理由を聞かれることにうんざりしている方もいるでしょう。質問自体がいけないのではありません。ただ、私たちは口調や表現に気を付け、批判ではなく思いやりを持って接しなければなりません。

偏見のない聞き方をするようにしましょう。例えば「ご主人さま、または奥さまのお名前は？」ではなく「配偶者のお名前は？」と聞くことにしています。私は同性カップルのクライアントが多いので、異性と結婚しているという思い込みがない点を評価いただいています。

私はクライアントに「ほとんどの方」という表現を頻繁に使います。人は皆、他人が選ぶものに関心があります。クライアントは選択肢が多すぎて決断できないこともあるので、この言葉が助けになります。「ほとんどの方がX、Y、Zのどれかを選ばれますが、お好みに合わせてカスタマイズできます」という言い方をしています。

クライアントはあなたをどう評価しているのか？

顧客のフィードバックは傾聴に値します。面と向かってあなたの短所を指摘する顧客はほとんどいないので、自分の長所を知ることができます。私は常に自分のやり方を微調整して改善を試みています。そんな中である時、私のプレゼンテーションについて、クライアントの皆さんが4種類のコメントをしてくださることに気が付きました。

丁寧に接客する – 1つ目は、仕事に情熱を持っているというコメントです。弊社にお越しになるお客さまと1日15回同じような会話を繰り返すとしても、その日唯一の大事なお客さまとして遇されたと全員に感じていただきたいのです。保険の話に個性やユーモアを添え、お客さまの関心を引きつけることは私の責務です。

知ったかぶりをしない – 2つ目は「仕事内容を熟知している」というコメントです。私も知らないことは多く、常に学習しています。しかし、お客さまの質問に答えられない時は、新しいことを学ぶ良いチャンスです。質問の答えが分からなくても、決して知ったかぶりをしないようにしています。だから「いいご質問ですね。初めて聞かれました。Xだと思いますが、お客さまの状況に合った最新の答えをお伝えしたいので、調べてご連絡します」と答えています。お客さまは私が答えを知らなくても、がっかりはされません。わざわざ調べてくれてありがたいとおっしゃいます。

「お客さまが何をご存じか、ご存じでないかは私には分かりません」

話を聞く姿勢 – 3つ目は私が親切だというコメントです。これはごまかしが利きません。同僚の中には、初回面談前に見込客のバックグラウンドを調べる人もいます。このアプローチはうまくいくこともありますが、会う前からクライアントにある種の偏見を持つ可能性もあります。私は過去に会話が不自然になったり、おかしくなるのを経験しました。だから率直に質問するのが一番です。人は自分の話をしたがるものです。ご自分のことも相手に話してください。ただし相手のお話を中心に聞きましょう。

明確かつ完璧な説明をする – 4つ目のコメントは説明が分かりやすいということです。私は初回の面談でいつも次のように伝えています。「お客さまが何をご存じか、ご存じでないかは私には分かりません。ですから基本からお話しします。もしもすでにご存じの内容でしたらそのようにおっしゃってください。省略して、次に話を進めます」このように伝えておけば、先方は私の説明が分かったふりをせずにすみます。気を楽にして話を聞いていただけます。

最後に説明方法は複数用意することです。例を使う説明が分かりやすい、という方がほとんどです。しかし誰もがそうではないので、他の方法でも説明できるようにしておきます。保険以外の金融分野のことも、あなたに相談したいと思っていただくことができます。

Jennifer Mannはイリノイ州シカゴの 18年間ＭDRT会員。連絡先はjmann@lenoxadvisors.com。

2021 年度 MDRT EDGEでのMannの講演はmdrt.orgでご覧いただけます。

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